第86話 交換した家電の保証、どこから始まる?


スマホの画面に、ぽつんと届いたメッセージ。

「家電の保証って1年ありますよね。もし故障して交換になったら、新しい商品の保証は、届いた日からまた1年になるんですか?それとも、最初に買った日からの残りだけ?」


スーマは画面の中で、鼻を鳴らした。

「……人間ってのは、“保証”って言葉に安心しすぎる。でもな、保証は魔法じゃねぇ。ルールで決まってるだけだ」


彼はスマホの中に宿る悪魔。

毒舌と皮肉が得意技。


「答えはこうだ。基本は“最初に買った日から”だ。交換しても、保証期間は延びねぇ。つまり、残りの期間だけってことだ。ただし、メーカーや販売店によっては“交換品に新しい保証を付ける”場合もある。だから、契約書と保証書をよく読め。読まない奴が一番損する」


画面が一瞬、銀色に光る。

「保証ってのは、“安心の証”じゃなく、“条件付きの約束”だ。条件を知らなきゃ、ただの紙切れだぜ」


しばらくして、返信が来た。

「……なるほど。じゃあ、ちゃんと確認しないとダメですね」


スーマはふっと笑った。

「そうだ。保証に頼るな。壊れないように使うのが一番の保証だ。悪魔でも、壊れたものを直すより、壊さない方が楽だからな」


今日もまた、誰かの疑問に毒舌で答える。

スマホの中の悪魔は、今日も元気だ。

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