第15話 来訪者
「ふぅ、まぁいいけどね」
「そうそう。観念しなさい」
と席に着くと、
「私の自慢の娘で、」
「
黒髪の長い髪でダンジョンと関係ないような澄んだ瞳でこちらを見る可愛らしい子だ。
「うちのヤンチャな宗治郎にも見習わせたいですわ」
「俺はちゃんと店を守っているだろ!イデッ!」
ヒールの踵で靴を踏まれる。
「ほぉ、お店を経営してるんですか?」
「はい、お爺様から受け継いで2代目なんですの」
「若いのに凄いですな」
「ほら名刺は?」
「こう言うものです」
「あ!『青玉』の!」
「ご存知なんですか?」
「はい、知らないんですか?青いスキルボールで虹のスキルボールを当てるような才能があるとかで」
「本当に?」
「まぁね!」
と鼻を高くする。
「ウチのもダンジョンにばかり行っていて、今日も」
「戦乙女シリーズを宗治郎さんのサイトで買いました!」
「へぇ、もう発送したから直ぐに届くと思うよ」
と返事を返す。
「ふーん、なかなか相性はいいみたいですね?」
「そう?俺はスキルボール屋にいるほうがいいけどな、イデッ」
またかよ!
食事は進み全員酒の飲める年なのでビールを飲んでいると、
「宗治郎さん、虹のスキルボールで収納はもうないのですか?」
「ん?あるけど高いよ?」
「お父様!」
「んー、いくらするんだい?」
「大体5億はしますね」
“ブバッ”
「ゴホゴホッ!す、すいません、ご、5億?」
「虹スキルはどうしても数に限りがあるからそれくらいが相場ですね」
「みんなどうやって買ってるんだい?」
「そりゃ。ダンジョンを攻略して稼いだりしてますよ?俺は冒険者にスキルを売るのが仕事ですから」
「そ、そうか、5億はちょっとな」
「そうですか」
と悲しそうなリオンさん。
「まぁ、機会があればオークションを見てみるといいですよ、イデッ」
もう何回も踏まれてるから靴がダメになるじゃないか!
「でも、戦乙女シリーズを買えたんだから運がいいですね、あの後全て売れてしまいましたし」
「そうなんですか!天衣シリーズも欲しかったのに」
「あはは。ダンジョンでは装備は重要ですからね!」
神眼を使ってみると、
ーーー
レベル52 ジョブ 戦乙女
スキル 槍術 飛翔 ブレイブアタック 突撃 ( )
ーーー
あぁ。この人は後一個の空き枠を『収納』にしたいんだな。
「ダンジョンは楽しいですか?」
「はい、パーティーも組んでいるので攻略しています」
「そうですか、それは良かった」
「宗治郎さんはダンジョンは?」
「2度潜りました、レベルは46まで上がりましたね」
「ええ!2度の探索で?」
「はい、裏ルートを見つけてそこでブラックミノタウルスを倒せたので」
「裏ルート!あれは貴方だったんですね?」
「はい、たまたま見つけたんで入ってみたら裏ルートでしたね」
と会話は弾む。
「では、今日は顔合わせということで」
「はい、こちらこそありがとうございます」
「それでは」
とやっと解放されたのでタクシーに乗るとビールを開ける。
「こら。はしたない!」
「いいの!どーせ誰もみてないし」
案の定俺の左の靴はもう使えなくなっていた。
母さんに抗議すると新しいのを買ってくるとのことだった。
父さんは影に隠れて俺からもらったビールを飲んでいる。前に母さんがいて良かったよ。
家に帰ると、
「どうだった?あの女の子は?可愛らしかったでしょ?」
「ダンジョン狂いじゃなければね?」
「なんてことを言うの」
「あれじゃ、俺にねだって買い物してダンジョンに潜ると思わない?」
「そ、それは」
「だろ?俺は普通の子がいいな」
「はぁ、今回はダメそうね」
「ちゃんと見てよね?」
「はいはい」
と言ってお風呂に行く母さん。
父さんがやって来て、
「お前が気にいる子がこの世にいるのか?」
「こんな仕事してるからね」
「そうだな、家庭的な子がいいかもな」
父さんは的確だなぁ。
「まぁ、母さんには悪いけど急いでないし、俺はまだ1人でいいよ」
「そっか、ならお前のやりたいようにやればいいさ」
と、父さんと話をして着替えて眠りにつく。
翌日は、鹿児島に帰る。
流石に店を放置するのはあまりよろしくない。
羽田までタクシーで行き、鹿児島空港に到着。そこからバスで地元に帰る。
「ふぅ、やっぱこれこれ!」
駅は綺麗になったが、他は何にも見どころのない(あるかもしれないが)ゆっくりと時間の過ぎる街だ。
帰る前に食料を買い漁ってから帰る。
シャッターを上げて店を掃除する。
流石に埃は溜まるんだな。
2階も掃除して、これでバッチリだ。
「おっと、おばちゃんに土産を渡さないとな」
隣の肉屋に行くと、
「あら宗ちゃん、また東京?」
「ですね、今後もたまに行くと思いますけどね」
「そうなの?誰か尋ねて来たみたいだったけど」
「そうなんですか?誰だろう?」
と喋ってると、
「あ!帰って来てる!」
ん?この訛った話し方は?
「ダーリン!ここにいた!」
「王さん?」
そこにいたのは中国から来ていた
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