第12話 父さん
そんなに経ってないのにまた東京にいる。
今回は父さんが休みを取って迎えに来てくれた。
「おう、息子よ」
と両手を広げて待っている父さん。
「なんだよ、父さん」
「父さんは働き疲れたよ」
「あはは錬金術で?」
「母さんがこき使うんだ」
「それはご愁傷様」
「冷たい息子だ」
と父さんはいじけるが、かすたどんを見て、
「おぉ、父さんの好きなやつ!気の利く息子だ」
……手のひら返しがすごいね。
車に乗って家に着くと母さんが顔を出す。
「おかえり、2人とも手を洗って来てね」
「「はーい」」
と手を洗いダイニングテーブルに座ると大好物の白身フライだ。
食べながら話をすると、
「すごい売れ行きで会社も上々よ!」
「あぁ、あの美容液?父さんしか作れないんじゃないの?」
「だから父さんは休みがなくてねぇ」
「超ブラックじゃん」
「貴方?ちゃんと休憩は上げてるでしょ?」
と母さんが冷たい目で父さんを見ている。
「はい!社長の言う通りでございます」
「よろしい」
父さんも苦労してるな。
「じゃあ、はい、『錬金術』のスキルボール」
と虹のスキルボールをテーブルに出す。
「「えぇ!いいの?」」
「ハモらなくていいじゃん、ちゃんとした人に使ってね」
「ありがとう!息子よ!」
「やったわ!これで2倍ね」
「え?」
父さんの仕事は減らないようだな。
「息子よ、父さんはもうダメだ」
「あはは、母さんも交代制とかでやったら?」
「まぁ、考えてみましょう」
「やった!でかした宗治郎!」
現金な父さんだな。
「で?今回はオークション?」
「うん。それと『サンダーパイク』に貸しがあるからそれもね」
「へぇ、『サンダーパイク』って言ったらこの前奇跡の復活を……あれって宗治郎が?」
「そうだね」
「そうか。父さんは嬉しいぞ!『サンダーパイク』もいい冒険者だしな!」
とビールも2本目になり酔っ払いの出来上がりだな。
「オークションは何を出したの?」
「青いスキルボールの『収納』と金のスキルボールの『雷魔法』と『付与魔法』だよ」
「へぇ、いくらになったの?」
「『収納』が5億ちょいであとの二つは5000万くらいだね」
「うっそーん」
と酔っ払いが何か叫んでるが、
「ちゃんと貯金しなさいね?後は早く嫁を連れて来なさい!」
「はいはーい」
と軽く返事すると、
「言ったわね?連れてこなかったらお見合いね」
「まだ早いってー」
「適齢期よ!もう36なんだから」
東京にはしばらく来れないな。
「ったく、こんなモテない俺に彼女なんてできるわけないだろ?」
と風呂の中で独りごちる。
「ふぅ、サッパリした」
のでゆっくりして寝にはいる
翌日は朝から外に出て、喫茶店で待ち合わせだ。
ガラの悪い男たちが入って来たと思ったら俺の客だった。
「持って来たのか?」
「もちろんです。あ、私こう言うものです」
と名刺をだすと下に捨てられた。
「早く『雷魔法』を渡せよ」
「えーと、お名前の確認から」
「舐めてんのか!俺は『牙狼』の大滝だ!」
「はい、大滝さんですね、合ってますね!どうぞ」
と金のスキルボールを渡す。
「おし!『雷魔法』だな!おら!ダンジョン行くぞ!」
「「「おぉ!」」」
っとに乱暴な奴だな。
「あー、この名刺も可哀想に」
踏まれた後がついて使えなくなった。
収納に入れて持っておく。
「次の人まで後1時間か」
ゆっくりコーヒーを飲みながらスマホをいじってると、
「早く早く」
「もう早いって」
と入って来たのは今度は女の子。
「待ち合わせしてて、近衛宗治郎さんって言うんですけど」
「あぁ、こっちだよ」
と手を挙げるとこちらにやってくる。
「私はこう言うものです」
と名刺を渡すと、
「なんだ、近衛宗治郎っていうからお爺ちゃんかと思ってました」
「あはは、爺ちゃんがつけてくれた名前なんですよ」
と笑いながら着席し、コーヒーを二つ頼む。
「ではお名前を聞いても?」
「私は『PG』の
「私は『PG』のマネージャーの
と名刺を下さる。
桃井さんは派手な防具に髪の色もピンクで目立つな。逆に九重さんは出来るキャリアウーマンのように黒髪のショートカットでスーツを着ている。
「はい、桃井さんですね、確認しました。これですね」
と金のスキルボールを渡すと、
「やっと付与魔法が使えるようになるね!」
「まぁ、高かったですけどね」
「もう、それじゃあ使います」
と桃井さんはステータスを見ているようでようやく確認すると、
「はい!付与魔法でした」
「間違いなくお渡しできてよかったです」
とコーヒーを飲むと、
「宗治郎さんは動画は見ないんですか?」
「あー、あまり見たことありませんね」
「私達『PG』はダンジョン攻略の動画を出してるんです」
「へぇ、面白そうですね!」
「宗治郎さんってイケメンだからすぐ人気になれますよ?」
と九重さんが乗り出してくるが、
「俺はしがないスキルボール屋ですからね」
「レベルは?」
「46ですよ」
「いいと思うんですけどね?近衛宗治郎って名前も古風でいいですし!」
と粘られたが丁重にお断りして帰って行った。
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