第8話

悠は今日学園が休みだったのである場所に向かっていた。そこは日本の魔道の名家の中の名家であり自身を養子として引き取ってくれた家であり御三家の1つである天王寺家の本家である。

「相変わらず物々しいな、ここ。一応実家だしな」

そう言って屋敷の様にというか屋敷その物である天王寺家の玄関を入り屋敷の地下にある修練場に向かって歩いていると突然辺り一面から殺気にも似た気配が漂い始めた。そして一斉に武器を持った黒ずくめの人間達が悠に襲いかかった。

「相変わらずお出迎えが乱暴だなぁ。蠍蜘蛛」

そう言うと悠はどこからともなく極細ワイヤーを取り出して動かし始めた。

「操童子」

悠は極細ワイヤーを先ず1番近くにいた3人の人間に巻きつけて動きを封じてその3人で更に襲いかかってきた人間に動きを封じた3人を操って更に襲いかかってきた集団に攻撃をさせて纏めて襲いかかってきた集団を2分で倒してしまった。その時悠の前後から一切の気配を感じさせずに斬りかかってきた男女がいた。

「スコーピオン」

悠はそれを二本一対の短刀型の魔導具でその斬撃を受け流し足から刃を生やして回し蹴りを放つ。

「モールクローですか。でも悠兄さんのモールクローって物凄く鋭いんだよなぁ。ってかまた前より鋭くなってるし」

そう言って女の方に向かって放たれた回し蹴りを見て男の方は愚痴をこぼす。そして男女共に悠と同じ魔導具であるスコーピオンを使い斬りかかっていく。

しかし男女の攻撃は悠が操るスコーピオンでいなされ回避され更に蠍蜘蛛を蜘蛛の巣の様に編み込み盾に使われた事で完全に攻撃の芽を摘まれてしまった。

「繭霧」

そして悠が編み込んだ蠍蜘蛛が男女2人のスコーピオンを破壊して着ていた黒いローブを切り裂いた。

「ただいま、そして久しぶりだね雄二。それに穂乃果も」

そう言うと悠は漸く自身の武装であるスコーピオンと蠍蜘蛛をしまって天王寺家の分家である黒羽家の当主の息子と娘であり義理の従兄妹にあたる黒羽雄二と黒羽穂乃果に挨拶をした。

「悠兄さん、相変わらず強いですね。それに久しぶりに会えて嬉しいです」

「おかえりなさい悠兄さん、会えて嬉しいです」

雄二と穂乃果がそれぞれ悠に向かって挨拶をする。すると先程、悠に襲いかかってきた人間達が皆、悠や雄二と穂乃果に向かって頭を下げてきた。

「お帰りなさいませ若。それにご無事ですかお坊ちゃま。お嬢様」

「僕達は無事だよ。武田さん。それより武田さん達の方がヤバくない。兄さんの蠍蜘蛛での操童子って凄い身体に負担掛かるからさ」

「多少疲れはしましたが大丈夫ですよ。若が手加減してくれたお陰でね」

雄二と天王寺家の分家である黒羽家の中で当主とその妻の次に強いと言われている武田が会話しているところに悠は割って入る形で言った。

「武田さん。自分の事を若って言うのやめて下さいよ。一養子に過ぎない自分には分不相応な呼び方ですから。それより蠍蜘蛛で壊してしまったが雄二と穂乃果のスコーピオンとかは大丈夫か?」

「それは心配いりません兄さん元々廃棄する予定の物を拝借して訓練用に使っていた物なので」

そう言いながら穂乃果は武田以外の人間達に立ち去る様に指示を出す。

「それじゃあ場所を変えて話をするとしますか」

雄二がそう言ったのでその場に残っていた悠と穂乃果と武田は雄二に続いて屋敷の広間に向かった。

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