第7話
学園長室に入った悠を待っていたのはここの学園長をしている義母の晶と今回の協力者である冬樹傑と御手洗ルカそして八咫烏の同僚である鳳誠と水戸坂正義そして伊黒紀章。さらにそこにもう1組の男女がいた。2人とも晶と同じくらいの年代の男女だ。
「どうして黒羽のお2人がここに?」
それを悠が聞いた瞬間に悠と晶以外の人間が驚いた表情になる。
「実はですな天王寺の当主である樹様から悠君のお手伝いをする様に頼まれましてな」
「ということで私たち黒羽家は貴方に頼まれたら何でも引き受けるので何なりとご命令ください」
「やめてくださいよ悟叔父さん。それに由紀子叔母さんまで僕は養子で拾われた身なんですから敬語は不要ですって。それより雄二と穂乃果は元気ですか?最近はあまり本家の方に顔を出せていないので」
「ああそれなら心配ない。近いうちに君に会いに行くと言っていたからね。それよりもテロリスト対策の会議の為に集まったんだ。とりあえず今現在の状況報告から始めようか。」
それを聞いて先ず誠が学園の地図を出した。
「先ず先日起きた学校襲撃を受け結界を強化する事が決定しています。そこで1番外側に僕の宝玉結界を張ります。この結界は余り強くはありませんが敵の侵入を知らせるセンサーの役割があります。そしてその次に伊黒先輩の星宮結界を張ります。この結界には広範囲に張れてかつ破壊が難しい為これにより時間稼ぎが出来ます。そして最後にこの学園にもともと張られている結界の三段構えの結界でこちらの迎撃体制を整えます。そしてもう既に前者2つの結界は張り終えてます。」
「後は敵の総数や此方の戦力によって変わりそうだな。正義そこら辺はどうなってるんだ」
「学園内に転移ポータルを張ってあるから直ぐに八咫烏の面々を召集可能だよ伊黒」
「後は本当に起きてからかな。しかし本当にこの学園が標的になるとはにわかには信じられないが」
「ああそれはアイツが予測したって言うならほぼ間違いないと思うな。日本魔導界御三家の一角、相沢家現当主相沢克人の固有魔術ラプラスの瞳は予知に近い精度の予測が可能だから」
晶が嫌そうな顔をしながらそう言った。
ここで少し日本魔導界御三家の説明をしておくと日本魔導国には始祖家と呼ばれる魔導士の名門と呼ばれる家がある。そしてそれら始祖家の中でも日本魔導界の中枢を担っているのが御三家と呼ばれる家で天王寺家、外川家、そして相沢家が御三家として君臨している。また御三家はそれぞれが規格外の力を持つ事から基本的には相互不干渉を貫いている。因みに黒羽家は天王寺家の分家である。
「ああ頭が痛くなるわ。悠君、今度アイツに会ったら文句の1つでも言っといて」
「嫌ですよ義母さんが言ったらいいじゃないですか。昔はチーム組んでたんでしょ。それなら義母さんから言ったほうがいいと思うそれに会議はそろそろお開きにした方がいいと思います。」「あまり部外者が校内をウロウロしていると生徒達に警戒されますし」
ルカがそう言うと傑は頷いて学園長室から出ていく前に変装の魔術を使って教師の振りをして出て行った。続いて八咫烏の3人は学園長室と悠が仮住まいにしている家と繋がっているポータルを使用して消えた。残った天王寺家の関係者とルカはそれぞれ学園の業務に戻った
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