第7話
私は少年のライブに行くのをやめた。このままじゃ、遠くない未来で少年を殺してしまうと思った。
毎朝聞いていたプレイリストも聴くのをやめた。
推しのことを考えている限り、怪物はいなくならないと思ったから。
数ヶ月が過ぎた頃、いつもの帰り道、少年が信号を待っていた。私は声をかけようかなと思い、肩を叩くため手を伸ばした。
手が触れる前に信号が変わり、少年は私に気づかず歩き出してしまった。
「ちょっと!」後ろから声をかけられ振り向くと「何やってんの! 車来てたのに押そうとしてたでしょ! 信号変わんなかったら今の子轢かれてたかもしれないでしょ!」知らない人に説教されよく分からないまま「すみません……」としか言えなかった。
今、自分でも知らない間に殺そうとしてたの……? 怖い……こんな自分知らない……! 呼吸ができない。なんでこうなっちゃうんだろう……もうやめたい……結局推しのことを考えていなくてもこの怪物はいなくならない……それならもう……。
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