エロ比較される性欲男子
「いってらっしゃい陽太様♡ちゅ、ちゅ」
真理さんとの校門前での「いってらっしゃい」が終わらない。
ハグから離れようとすると寂しいそうな顔をするのでまた抱きしめてしまう。
心を鬼にして離れると制服の裾をちょこんと摘まむのが可愛いくてまた抱きしめてしまう。
今朝からデレデレなんだよね。
今までは警護官です!(キリッ)
みたいなのが半分くらいはあったハズだ。
それが見当たらない。
それは俺にも言える事で、最初に警護官です!警護対象であり男としては見ていない!と言われたから、どこか線を引いていたのかもしれない。
その線が無くなった今、このデレデレの真理さんが可愛いんだ。
年上の女性が甘えてくるのがたまらない。これ分かってくれるよな?
「もう、行かないと…」
「はい…」
くぅ~♡たまらん。
それにしても…
今日は校舎からの視線が強いな。
各クラスの窓からいつも以上に見られている気がする。
そりゃ、これだけイチャイチャしていれば見られるか。
昇降口に向かう道中もいつもより手を振られる人数が多い。キャッキャッしてる。
一年A組に向かう途中でB組を覗いてみたが泣いている子は居ないようでホッとした。
昨日の様子が知りたいような知りたく無いような。変な感じだ。
それより悠斗は来ないのだろうか?
今日は自習室に誰か呼ばないのか?
B組の女の子と目が合うと。
「「「きゃぁ♡」」」
「「「陽太様♡」」」
なんでだよ!
B組には悠斗がいるだろ!
A組に行こう。
「おはよう」
「「「おはよう陽太君(ヨータ)」」」
A組はいつも通りだな。
昨日休んでしまった事を謝りつつ、昨日のB組の様子を聞いてみた。
やはり悠斗はB組女子を上裸にして抱きしめたようだ。
パンツを脱がさないでくれた所は俺との約束を守ったのか?
そして胸が一番大きい子を自習室に連れて行った。
やる事やったら自習室を追い出された話を聞いた時はモヤモヤしたが女の子はそれが普通のようで気にしては無いらしい。
入れ替わりに次に胸の大きい子を連れて来いと言われていて、二番目の子が自習室に。
どんだけ胸の大きい子が好きなんだよ悠斗は。否定はしないけど。
だがそこで問題が起こった。
悠斗の悠斗が使い物にならなかった。
女の子が何をしても、自分でしてもダメだったらしい。
女の子は自習室に呼ばれて五分も経たずに帰されたのを何人もの人間に目撃された、何があったか聞かない方がおかしい。
女の子が帰されるとこの話が一瞬で広まる。
それとともにある話も広がった。
『一年A組の男は凄い』
『一人の女に二発』
『一晩中三人を相手にしても枯れない』
『腕枕男子』
『女を男の子のように大切にしてくれる』
『女がイクまで我慢してくれる男』
うん。
間違いない。
昨日はA組女子も盛り上がったんだな。
目隠れ女子三人がクラスメイトに囲まれてる絵が浮かんだよ。
話したのか、そうだよな、話すよな。
いいんだよ話すのは、でも恥ずかしいだろ。
猿みたいだなんて思われる…
なんて事はなかった。
悠斗と俺が比較されたんだ。
俺の話が無ければ悠斗が一般的な性欲男子として一発出せて凄い。自分勝手に果ててもそれが普通。
誰も何も思う事も無かった。
それなのに規格外性欲男子が居るせいで普通が普通では無くなり普通では物足りなく感じてしまう女子が出てくる。
ちょっと待ってよ!規格外性欲男子とか言われてんの?変な二つ名とか付けるのは止めてよ?
それで朝からの視線に繋がるのか。
俺としては普通の事なんだけど、こっちの男子と比べるのはダメだろう?
俺の方が異端なんだよ。
悠斗は、
あれ?
こんだけ騒ぎになってれば悠斗の耳に入ってもおかしくない。
悠斗は大丈夫か?学園に来てるのか?
落ち込んでないか?
メンケアが必要なんじゃないか?
俺が話を聞くとか更に傷を広げそうだけど。
悠斗と距離をとろうと思っていたのに気になってしまう。
でもこれは優しさなんかじゃない。
嫌われたくないだけなんだよ。
俺のせいで!とか、お前が居なければ!
そんな風に恨まれたくないだけ。
まわりの目を気にするのは昔っから変わらないな。
俺は何もしないでこの件はほっとくしかないのだろう。
貞操観念逆転世界で自分の評判が上がり始める。
転生ものの主人公ならチヤホヤされてヒャッハーとなってそうな展開。
でも俺はそんな気にはなれなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます