ハルカな終点
「観覧車の終点って、知ってる?」
サトシと一緒に乗りたくて、適当なことを言う。
「観覧車に終点なんかあるかよ、ぐるぐる回りっぱなしじゃん」
「ぶぶ~ ハズレ、一番高いとこが終点なんだよ」
最後に、二人きりになりたいし。
「何だよそれ? だいたい、一番上で降りてどこ行こうってんだ」
「う~ん…… 天国?」
私、どっちに行くんだろう?
「じゃあ、確かめに行こうよ。……は~い、乗りま~す」
「おいおい、そんなに引っ張るなって」
実は今の私は、いわゆる幽霊で、サトシだけに姿が見える状態だ。
「あっ サトシくん、観覧車乗るの?」
「うん、ハルカにつきあってくる。ユウ姉ぇは待っててくれ」
そのせいで、端から見て奇行に走りがちなサトシを、ユウ姉ぇがフォローしてくれてる。
「あ…… 気をつけてね」
ちなみに、ユウ姉ぇは私のお姉ちゃん。
小さいころは、私とサトシと三人でよく遊んでた。
ユウ姉ぇに感謝しつつ、サトシと観覧車に。
夢が一つ、かなったよ。やり~
「あ~ 学校が見えるよ」
眺め最高! しかも、サトシと二人きり。
動かない心臓が、ドキドキしちゃう。
「ハルカ、大事な話がある」
「何? つまんなかったら、怒るよ」
う~ 照れくさくて、ツンツンしちゃった。反省~
「ハルカ、好きだ。俺とつき合ってくれ」
「にぶちん…… サトシとはつき合えないよ」
だ~か~ら~ 私、死んでるの。
「何でだよ? ぜったい幸せにするから……」
「だっから、つき合えるわけないでしょ! バッカじゃない!」
私が、サトシを幸せにできないの、わかってよ!
「俺は、ハルカが好きなんだよ!」
「もう、ユウ姉ぇが心配してるよ。ユウ姉ぇ、サトシのこと……」
「何で? そんなこと言うんだよ……」
ユウ姉ぇになら、サトシを安心してあげられるからだよ。
「そろそろ観覧車、終点だから…… 私、行くね」
「だから何言って……」
ホント、最後なのに私って…… バカ!
「お気はすみましたか?」
「……うん」
お迎えの天使っぽいのが、私の手を引き上げてくれる。
「ケンカ別れのようでしたが、よろしいので?」
「いいの…… 相互依存を断ち切らなきゃ、彼が前に進めない」
そう、猶予をもらった半年間、彼の気持ちをむさぼりすぎた。
「なるほど。温かく寄り添うも、冷たく突き放すも…… 愛ですね」
「……そうかもね」
本当は、最後に言いたかったよ。
今までありがとう、大好きだよって。
「そうそう、生前の行い次第では、転生先を選ばせていただけると……」
「!? ……その話しkwsk!」
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