うさぎと特定外来生物
むかし,俊敏なうさぎと重鈍な亀がいました.うさぎは足に自信を持っていたので,亀にかけっこ勝負を挑むことにしました.
「亀さん亀さん,是非ともかけっこ勝負をしてみない?君の愚鈍さを,仲間の動物に見せつけてやるのさ.」
それに亀は嫌な顔ひとつせず言いました.
「別に構わないとも.ゴールはあの山の頂上でいいかい?」
うさぎはその態度に引っかかりましたが,慢心ゆえに違和感を心の奥に押し込めてしまいました.
森の仲間のキツネを呼んできてあらましを説明すると,キツネはすぐに了解しました.
そしてキツネが「よぅい,ドン!」と掛け声を上げると,うさぎはほとんど反応のずれなく走り出そうとしました.
しかしうさぎが走り出そうとした瞬間に,足にこれまでに体験したことのない痛みが走ります.足を見ると,亀が思いっきり噛み付いていました.
うさぎも,これはなしだろうと思って,声を上げようとしますが,痛みの悲鳴で喉は占められていました.
そしてしばらくして,うさぎは息も絶え絶えになり,辞世の句を詠みました.
教訓:慢心は自分の命すらも奪いかねない.
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