映画『リアリティ』
体調がすぐれず、一日中横臥していた。
映画『リアリティ』を観る。主人公は25歳の白人女性で、実在の人物だ。名前はリアリティ・ウィナー。映画のタイトルはその名から取られている。
映画はそのリアリティが自宅前でFBIを名乗る男2人に声をかけられ、何気ない会話……飼い犬の話題などから、少しずつ会話に不穏な空気が漂い始める…というものだった。
んん?何この変な映画……?予備知識なしのえりぞーは頭にハテナだけ浮かびながら引き込まれていった。
ぜんぜん知らなかったが、2017年、アメリカ国家安全保障局(NSA)に勤める25歳の白人女性が突如としてロシアンゲート関連の機密文書を持ち出しリークしてしまったという事件があり、本作は彼女の裁判で公開されたFBIの録音記録をほぼそのままセリフとしたドキュメンタリー映画らしい。
ちょいちょい録音テープそのままの音声が流され、国家機密上、裁判記録で黒塗りにされている部分などは音声が途絶えるなどの演出がなされている。
実際の録音そのままのセリフは終始穏やかで、しかしその緊迫感がすごい。現実のFBI捜査官がジワジワと核心に迫るまでの手法と、リアリティ本人の焦りを俳優の目線や表情の細かな演技で再現されている。
実際の事件だから、映画はぜんぜんスッキリとしない。リアリティという、どこにでもいそうな25歳の白人女性、ヨガインストラクターをしながら公務員やってる女性が、なぜいきなり機密文書を持ち出してリークしてしまうのか、FBI捜査官も戸惑ったまま尋問と映画は進んで、エピローグ的に実際の裁判の結果や刑務所からのリアリティの電話、報道も流れるが、釈然としないまま映画は終わる。
個人的に今年いちばんの映画。現実の起承転結無視、回答なし、意味なしの美しさを味わえる。
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