紅い薔薇 蒼い瞳 特別編
星河琉嘩
愛するということ
プロローグ
自殺志願者のあたし、ジュンコ。
いつも教室の窓から、空を見上げては考えている。
いつか死んでやろうと。
この四角い部屋に、閉じ込められてあたしは窮屈だった。同じことをさせられて窮屈だった。
同じ黒い服を着て、
同じ髪型をして、
大人に教師に、ペコペコと頭を下げている。
あたしはその他大勢のガキじゃない。
あたしはあたしだ。
だから同じことはしたくない。でも同じことをしなきゃ、不良だとか言われる。
ただ、スカートを短くしただけ。
ただ、ボタンを変えただけ。
ただ、髪を茶色にしただけ。
ただ、マニキュアをしただけ。
ただ、メイクをしただけ。
ただ…
ただ……
ただ………
そんなあたしを、みんな興味本位で見てくる。見られたいから、そんなことをしているんじゃない。
あたしはここにいるよって言いたいだけ。
あたしは生きてるよって言いたいだけ。
だって。
毎日が息苦しくて。
死んでいるのと変わらない。
生きているのか、自分で分からなくなるんだもの。
だから、あたしはここにいるからって叫んでるだけ。
誰かに見つけてもらうために。
あたしはここで生きている……。
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