第1話 空母撃沈セリ

「宮寺、上野。もうすぐ目的地だ。しっかり準備しておけ!なに、奇襲攻撃だ。撃墜される可能性なんて0に等しい。」

操縦士の菅原がそう言った。確かにそう言った。

私は上野と目を合わせる。その光景を不思議と思った菅原がこう言った。

「おーい!聞こえてるか?ぼーっとすんなよ。この戦争は、俺たちにかかってるからな!」

「は、はい!」

慌てて上野が応える。


やがて、米軍基地が見えてきた。

真珠湾である。

大きな基地ではあったが驚きはしなかった。

「敵航空母艦確認!」

菅原が空母を見つけ、攻撃準備をする。

「魚雷投下!」

の合図と共に私は魚雷を投下する。

敵空母は激しく炎上。その後、沈没した。


帰投後、我々は酒を飲んだ。

空母撃沈という大戦果と開戦の祝いだろう。

しかし私には分からない。

「あれは何だったのだろう。」

呟いた私に上野が反応してくれた。

「私も気になっています。ただ、何かの幻だと思いますよ。だってほら、現に今酒が飲めているんですし。」

確かにそうだ。

今私は酒を飲めている。きっと幻だろう。

そうして我々は次なる大海戦に臨むのであった。


第3話につづく


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