第2話 我ニ戦果ナシ

「宮寺、上野。もうすぐ目的地だ。しっかり準備しておけ!なに、奇襲攻撃だ。撃墜される可能性なんて0に等しい。」

操縦士の菅原がそう言った。

「はい!」

上野が応える。


やがて、米軍基地が見えてきた。

真珠湾である。

大きな基地であった為、非常に驚いた。

「敵空母がない!」

第一目標がいない事を確認した私達は、戦艦を攻撃する準備に移る。

そのときだった。

敵の対空砲火が機体の主翼を貫いた。

機体が制御不能になり、私達は海へ墜落した。


目を瞑る。

(信じられない...。私はこんな簡単に死ぬのか?日本の為に、何も出来ずに死ぬのか?)


泣きそうになったとき、誰かの声が聞こえた。

「Erfolgreiches Atombombenexperiment.」

と、微かに聞こえる。外国語だろうか。

そして不思議な感覚に陥った。体があつい!あつすぎる!

あまりの苦痛に目を開けると、そこは九七艦攻の機内だった。


第1話につづく

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る