第3話 1日の終わり

「「不公平だ!」」


小学生組を見送りながらコーヒーを飲んでいると智輝とヒロが二人で俺に文句を言ってきた。


「不公平って?」


急に文句を言われたので質問をしてみる。


「俺は別にあのバカ姉妹に懐かれたいとかは思っていない。」


「僕も別にあの妹に対しては特に懐いてくれとは思ってはいない。」


「「ただ!何故実の兄ではなく、ゆうの言うことだけは素直に従うのかが解せない!」」


二人は納得がいかない様子で文句を言ってきた。


「何でって言われても・・・何でだろ?」


俺自身にもわからない。


「でも双子ちゃん達も日葵ちゃんも良い子だよ?」


「いやいや、バカ姉妹はバカだぞ?」


「日葵は恐ろしいぞ?」


自分の妹に対してヒドイ言いようだ。


「「そんなの、いっちゃんがゆうにいを大好きだからに決まってるじゃん!」


「そうですよ兄様。いっくんが信頼を置いているゆう兄様です。従うのは当たり前ですよ?」


「にいちゃ!手を洗ったよ!」


「お、えらいえらい♪」ナデナデ


「エヘヘ///」


「「・・・・・・。」」


「「「ほらね!」」」


俺といっくんのやり取りを見て、智輝とヒロは無言になり、双子ちゃんと日葵は「当たり前でしょ?」と言っている様な顔をして二人を見つめていた。


「ふふっ。自分のお兄ちゃんをいじめちゃダメよ?さぁ、おやつを食べましょうか♪」


モカ姉がシュークリームを人数分用意してくれたので皆で食べ始めた。


「これって木村さんとこのシュークリーム?」


「そうよ♪店に出さないのをいただいたの♪」


モカ姉は嬉しそうに食べていて少し可愛かった。


「にいちゃ!食べ終わっちゃった・・・。」


俺の膝の上に座っているいっくんがもの足りなさそうに俺を見つめてきた。


「んじゃ兄ちゃんのを半分こしよっか?」


「うん!」


いっくんにまだ手を付けていない俺のシュークリームを半分にして分けあった。


「にいちゃありがと!美味しいね♪」


「ね♪」


「い、泉!俺のもあげるぞ!」


「泉君!僕のもあげるよ!」


「...いらないの」


「「!?」」


智輝とヒロはいっくんに拒否られて床に膝をついてうなだれていた。


「ただいま〜。」


シュークリームを食べ終えてゆっくりしていると萌絵が帰って来た。


「お帰りなさい萌絵ちゃん」


「お帰り萌絵」


「ただいまモカ姉にゆう。...ってシュークリームあるじゃん!私の分は?」


「あるわよ♪」


「手洗って来る!」


萌絵が手を洗って近くの椅子に座った。


「「萌絵ねぇお帰り!」」


「萌絵姉様お帰りなさい」


「ねえちゃおかえり!」


「はいはい小学生組もただいま」


「おっ!番犬じゃん」


「ドーベルマン」


「うっさいわ!智輝とヒロ!」


・・・・・。


萌絵が帰って来てしばらく経った後、智輝とヒロはそれぞれ妹を連れて家に帰って行った。


「それじゃあ俺も家に帰るね。また明日。」


「にいちゃ!ばいばい♪」


「ゆうちゃん今日はありがとうね♪」


「ゆう!明後日忘れないでよ!」


「わかってるよ。」


俺は喫茶店を出て自宅に帰った。


夜ご飯を軽く済まして風呂に入ると今日の疲れが一気に押し寄せてそのまますぐに眠りについてしまった。






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