「いのち」に向き合ったことのあるすべての人たちに

名前もなければ言葉も持てない、ヒトによって捨てられた犬を保護することを生きがいにしている為か、不意な共感に打ちひしがれました。読後に、ただ静かで濃い涙が数筋ほど溢れました。

犬とヒトの違いはあれど、自分が送ってきた家族たちがこんな気持で居てくれたなら。力が及ばなかった悔恨の中で何度も夢想したストーリーを、筆者が形にしてくれたような気持ちが致します。
いつか自分の階段の先が、この物語であって欲しい。そう思ってただの読み専であることを辞め、初めてのレビューを投稿致します。

トリックも虚飾もないセンテンス、そして短くも美しいストーリーでした。
激しくなくて良いので、ひっそりと気持ちを揺さぶる次の作品の登場を、末席から応援しております。

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天国の記録