第10話 深きもの

俺たちはさっきの場所に戻りドワーフのおっさんと話をした。

「準備はできたから俺たちを連れてってくれ」

「あぁもう大丈夫ですよ」

「?」

「さっき勇者様が行ってくれたんです」

「は?」

あんなガキどもに任せるとかどうかしてるのどはないかと思った。それにさっきした約束をいきなり破るとかどうかしてんだろ。

「うわぁぁぁ!!」

「おい、向こうから悲鳴がでてるけど?」

「まさか勇者様たちが……」

「しょうがない。仕事はするから報酬は払えよ」

そう言って俺は相棒に乗り込み"シグマ"NCを降ろし急いで向かった。洞窟を抜けた先には広い空間が広がっており下にはマグマが広がっていた。

「これは……」

「誰か助けてくれー!」

「あれか」

俺は勇者たち近づき相棒から降りた。

「誰だお前は?!」

「あんたたを助けてやってくれとドワーフのおっさんに頼まれたんだよ。それで敵は?」

「今は潜ってるから逃げだすなら今だぞ!」

「落ち着けよ。今は怪我人が優先だろうが」

「何言ってんだよこの勇者である僕が先だろ……」

そんなこと言ってる間にマグマの中から巨大な竜が出てきた。

「ぐおぉぉぉぉ!!!」

「デケェな」

「んな呑気なことを言ってる場合か!!」

「ちっ……テメェらは下がってろよ」

俺は相棒に乗り込み早速ウィングタイプを使うことにした。

「ブースター正常です」

「よし、飛べ相棒!」

竜からの一撃を食らう前に俺たちは羽を広げて飛び回避した。

「いいね」

「いいですけどやはり燃費がよくないですね」

「だったら早めに鉛玉を御馳走させてやろうぜ」

俺はそう言って羽に付属されていたガトリングを2丁取り出し撃ち続けた。

「いいねぇ〜弾幕が多い銃は」

「そうですけど冷却も忘れないでくださいよ」

「分かってるよ」

1回撃つのを止めてみたら奴は消えていた。

「何処に行きやがった?」

俺は周りを見渡してみたら後ろからいきなり竜が飛び出して相棒の左腕に食いついてきやがった。

「パイロット!」

「やばい食われた!!」

食いつかれたまま俺たちは壁に押し付けられたり引きずられたりされた。

「ダメージが大きいです」

「左腕に隠してあるガトリングを撃て!!」

そう言って竜の口の中で隠してあったガトリングを撃った。

「ぐおぉぉぉぉ!!」

口を開けた隙を狙い脱出した。だが左腕はボロボロになってしまい使い物にはならなかった。

「左腕破損しました」

「こいつはまずいな……」

「ここは一旦逃げることを推奨します」

俺は勇者どもを抱えてここから逃げることを最優先した。

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