第10話 変革の予感

 学校がいよいよ始まる。校門に着き、馬車を下りた。みんながヒカルをみていた。

 そこで、ヒカルがレノアを見つけ、挨拶した。


「レノア先輩おはようございます。昨日はすみませんでした。態度が良くありませんでした。」


「おはよう。別にいいの。私もいきなりヒカル君の服を見ちゃったから、、、」


 打って変わったような、お互いの態度だった。

そこで、もう一人打って変わった態度をした生徒が現れた。


「ザックだ。昨日は悪かった。許してくれ。」


「ヒカルだ。全然気にしてないから、大丈夫だ。同じ一年生だしな。」


 みんな挨拶を済まし、レノア先輩に用があったので、聞いた。


「レノア先輩。錬金術学科ですよね?錬金術で人の古傷って、治せますか?」


「多少は治せるけど、年数と度合いにもよるわよ。私もまだ、三年生だから、多少の知識しかないけど、、、」


 レノア先輩は鞄から本を取り出し、調べた。


「とりあえず、必要な材料はこのページよ!」


「ありがとうございます。メモを取らせて頂きます。」


 ヒカルも鞄からノートを取り出し、メモを取った。


「もう、大丈夫です。レノア先輩。ありがとうございます。ザック、教室まで案内してくれ。」


「ううん。力になれたなら、良かった。」


 そして、ザックに案内してもらい、席に付いた。


「ヒカル。今まで、何処であんな魔法と剣術を?」


 と聞かれたので、地道に練習させられた。と答えた。そして、他の生徒が


「ヒカル君って言うの?昨日凄かった!」


 と、いろいろな生徒が集まって、質問に答えていた時、先生が入った。そして、皆、席に付く。


「転校生を紹介しよう。ホルト・ヒカル君だ。じゃあ、さっそく挨拶をお願いしよう。」


「気軽にヒカルと呼んで下さい。宜しくお願い致します。」


「特例で、ヒカル君は剣術クラスにも行くので、自由に行き来してもらいます。」


 皆が「さすがだな。」「特例でか!凄いな!」とクラスの皆がザワザワした。


 と紹介が済み、授業が始まった。しかし、大体の内容は知っている。しかし、ヒカルはちゃんとノートに取り、ちゃんと細かいところまで、メモを取った。ザックが


「まだ一年生なのに、みんな知っている内容だ。なんで、ノートを取るんだ、ヒカル?」


「何事も基礎が大事だ。ノートに残す事で何か見逃していた部分だったり、アイデアが湧くかもしれない。」


 それを聞き、ザックが


「あれだけの戦いをして、おごらないんだな!だから、強いのか!?」


 ザックもノートを取り出して、ノートをとった。それを見た他の生徒もノートを取り出し、ちゃんと授業内容を書き出すようになった。先生が、


「みんな素晴らしい!ヒカル君の言う通り、こういう事の積み重ねが、君たちの未来の財産になる。まだ一年生だからと言って、おごらない君達を誇りに思う。」


 先生はそう言って、雑学まで、言い始めた。ヒカルはそれでも、ちゃんとノートにとった。そして、剣術クラスに行っても、同様だった。


 校長が先生からそれを聞き、


「ヒカル君の存在自体がこの学校に変革をもたらすかもしれない。」


 ヒカルの影響力つまり、カリスマ性は一年生では、絶対的になっていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る