ホウケイ酸ガラス
■ 定義
ホウケイ酸ガラスとは、主成分の二酸化ケイ素(SiO₂, 約70~80%)に加えて、酸化ホウ素(B₂O₃, 約10~15%)を含むガラスを指す。これにより熱膨張率が小さくなり、耐熱衝撃性・耐薬品性が向上する。代表例として、20世紀半ばに普及した パイレックス(Pyrex) が知られる。
■ 1. 耐熱性・耐熱衝撃性
・熱膨張率が小さいため、急激な温度変化に強い。
・オーブン用耐熱器具、実験室ガラス器具、化学反応容器に適する。
■ 2. 耐薬品性
・酸や有機溶媒に対して強い耐性を持つ。
・化学実験や工業用途で、ソーダ石灰ガラスよりも安定して利用可能。
■ 3. 光学的性質
・高い透明性を持ちつつ、光学的均質性も良好。
・ただし石英ガラスのような紫外線透過性は限定的。
■ 4. 産業・科学における利用
・実験器具(ビーカー、フラスコ、ピペットなど)に広く使用。
・化学プラントの配管や反応器材、家庭用耐熱ガラス器具としても普及。
・ハイテク素材期には「閉鎖系の精緻化」を支えた基盤となった。
■ 締め
ホウケイ酸ガラスは、ソーダ石灰ガラスの「標準性」と石英ガラスの「極限性能」の中間を担う素材と位置づけられる。大量生産の経済性と、科学・産業利用に耐える強靭さを兼ね備え、人類硝子史における「科学と生活を同時に支える普遍的素材」として確立された。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます