第2話 いや、何そのしきたり!?

あれから俺は仕掛けた罠のポイントを回り、獲物を回収した後に罠を壊して二次被害が起きない様にしつつ村に運んだ。今回は最初のボルボルの他に【ツノディア】イッカクの角が代わりに生えている鹿みたいなモンスターが2匹も取れた。コイツの肉も美味い、レバーが特に美味いから帰ったら村長と焼いて食べようと考えつつ俺は運んだ。すると村の皆も冬場の食料に喜んで解体を手伝ってくれてスムーズに解体できた。肉は今日食べる分以外は全て燻製に、毛皮はボルボルの奴は偶にくる商人への交易に回して残りはなめして衣類に、骨や内蔵は食べられる奴は食べて残りは現在や肥料に…などなどがスムーズに進んで現在俺は村で一番デカい集会所にて村長とボルボルのタンとツノディアのレバーを一緒に串焼きにして食べていた。


「んっ、相変わらずボルボルの舌はうっまいの〜♪最近は歳のせいで肉の脂が気になってきたが、この舌とツノディアのレバーだけは胃もたれせずに幾らでも食べれるわい!」


「ハフッハフッ…うっめ。やっぱタンとレバーの串焼きは塩だな。間違いない」


そう言って集会所の囲炉裏で串焼きを焼きながら木のコップに入った水を飲む俺と、その隣で一緒に串焼きを食べながら笑っている村長であり今年で71歳という高齢の男性である【タガメ】さん。

普通なら貧乏農家の5男なんて村長と話す機会すら稀だとは思うが、俺はこうやってモンスターを狩ったり薬草や山の幸を摘んできたりと狩人として村に貢献している為に偶にこうやってサシで村長と飲み食いしながら雑談している訳である。


「…あ、忘れておったわ。ルイよ、お前さんは今日の朝から獲物を狩りに行ったから村にはいなかったよな?だから今日村の子供達を集めで話した事を聞いておらんかったな??」


「え、話だって?…あ、コレ焼けたぞ」


「うむ、ありがとう…ま、食べながら話すかの。まず最初は人の神秘についてだな…」


俺と村長はそう話しながら食事を続けた。

この世界【ノーベル】には魔力はあるが魔法は無く、この世界に生きるモンスターはこの魔力を使い、強力な能力を発動するらしい。だが、モンスター以外の人型の生命体は創造神というこの世界を作った神様から授けられた魔力を物体に流せばその物体の能力を使える様になるという神秘的な力である【スキルカード】という物があるそうだ。


「実際に見せよう…【開示オープン】」


村長は話しながらレバーを食べ、口が空になったと同時にそう言う。すると村長の目の前に突然手帳が出てきたではないか。


「コレは人が5歳になったら自然と体内の魔力を使える様になるのと同時に発言する神秘、【開示オープン】。この単語を呟いた後にスキルカードを魔力と一緒に体内から出すイメージをすれば誰でも出るはずじゃ」


こう村長が言うと今度は手に持った串を置き、空中の手帳を掴んで中身を俺に見せてくれる。そこには『真っ白なカード』が2枚だけ入っていて、他に3つほどカードを入れられるスペースが用意されていた。


「まず、真っ白に見えるカードを見ろ。このカードはワシにしか見えない【固有カード】という奴でな、その名の通りワシにしか見えないし使えないスキルカードなんじゃ。

次に三つほどカードが入る場所があるじゃろ?コイツはダンジョンなどから稀に手に入る【汎用カード】という誰でもこのスペースにカードを入れればそのカードのスキル使えるが、一度入れてしまえば死ぬまで抜けなくなる大事な場所なんじゃ。

次にレベルについてだが…」


そう村長が言うと手帳を閉じて片面を俺に見せる。そこには茶色の皮に白色の字で【0】と言う数字が刻まれていた。


「創造神様曰く、生まれてくる生物は例外なく生まれた時のレベルは0で全ての生き物のレベルの最大値はⅩ。モンスターと戦えばいずれはレベルが上がり、レベルが上がると神様から固有カードが一枚増えるんじゃ、そしてレベルが5に到達したら汎用スキルカードを入れるスペースが3つから6つに増えるらしい。だが、ワシみたいな普通の人間は基本的にレベルは0。何故なら普通の人は村に篭って生活をするからモンスターとは基本的に戦わずに農業と交易で生活するからじゃ。だが、偶にお前さんみたいに狩りなどをしてモンスターを倒してレベルを上げる者が現れるんじゃよ。だからお前さんは間違いなくレベルはIかIIはあるはず、故に固有カードは3枚くらいはあると考えておく事じゃ…あ、手帳を出すなら寝床で確認しておくれ。下手にレベルや固有カードの能力を話したり見せたりするのは失礼にあたるからの」


「…ん、りょふかい」(了解)


俺は串を食べながら村長とそう話して考える。まさか異世界なのに魔法が無くてスキルがカード式に存在する世界だったとは…【ノーベル】はかなり奥深い世界みたいだな。


「よし、後はこの村のしきたりについて話すだけじゃな」


「…村のしきたり?」


俺は口に含んだタンを食べ終わった後にそう聞いてから水を飲み始め…



「まあ、簡単に言えば…








今日から15歳になるまでに婚約者か事実婚相手を見つけられなかった場合、村から出て行ってもらうってきま…



「ブー!?!?」


うぉ!汚な!?!?」


口に含んだ水を天井めがけて吹いてしまった。いや、マジでなんだよその伝統は!?

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