第48話 私と貴女㊽

お互いの髪や体を洗いっこするのも楽しいものです。

彼女の体は綺麗で見とれてしまいます。

特に素肌は魅力的でつい見惚れてしまいます。

そんな視線に気付いたのか、ジト目で睨まれてしまったので慌てて目を逸らしました。

バレてしまったでしょうか? 

バレていないと良いのですが……。

まぁ、いずれにせよバレる時はバレてしまうので今は気にしないことにしましょう。

そんなことを考えながら、彼女の素肌に手を伸ばすと柔らかな感触が伝わってきました。

これはヤバいです。

癖になりそうです。

でも、流石にこれ以上はヤバいと思ったのか手を払い除けられてしまいました。

残念です。

仕方ないので大人しくすることにします。

その後、身体を洗い終えた私たちは再び湯船に浸かりました。

先程と違って向かい合う形になりました。

彼女は恥ずかしそうに頬を赤らめています。

その表情が可愛らしくてつい見入ってしまいます。

そうすると不意に彼女が近づいてきて耳元で囁きました。

その言葉を聞いた瞬間、心臓がドキリと跳ね上がりました。

そして顔が熱くなるのを感じます。

どうやら動揺しているようです。

その様子を見て彼女はクスリと笑いました。

そして、頬にキスをしてきました。

その行動に驚きつつも喜びを感じてしまいました。

もっとして欲しいと思ってしまったのは秘密です。

その後、お風呂から上がり身体を拭いて着替えます。

髪を乾かしてからリビングに戻ると、既に夕食の準備がされていました。

相変わらず手際が良いです。

さすがです。

それに比べて私は……。

何もできていない気がします。

これではダメです。

もっと頑張らないといけません。

そう心に誓いつつ料理を運ぶ手伝いをします。

テーブルには、オムライスが並んでいます。

どうやら私が好きだから作ってくれたようです。

とても嬉しいです。

早速いただこうとした時でした。

不意に彼女が声をかけてきました。

「ねぇ、一緒に食べない?」

その提案を聞いた瞬間、心が弾みました。

二つ返事で了承します。

二人並んで椅子に座り手を合わせます。

いただきますと言って食べ始めます。

一口食べるたびに幸せな気分に包まれます。

やはり、彼女と食べる食事は格別です。

そうしているうちに、あっという間に食べ終わってしまいました。

食器を片付けて歯磨きを済ませます。

その後、寝室に向かい二人で横になります。

今夜は金曜日なので明日は休みです。

だから、もう少しだけ起きていたいです。

でも、彼女は早く寝たそうにしています。

仕方ないので諦めることにしました。

おやすみなさいと言って目を閉じます。

彼女もそれに倣って目を閉じました。

すぐに眠気が襲ってきたのでそのまま眠りにつきました。

朝起きると、横には彼女の姿がありました。

どうやら先に起きていたようです。

私を見つめる瞳は優しくて温かいものでした。

その視線に見つめられているとなんだか照れ臭くなってきます。

顔が熱くなるのを感じながら布団の中に潜り込むと、彼女はクスクスと笑いながら顔を近づけてきました。

そして軽くキスをしてきました。

突然の出来事に驚きましたが、同時に嬉しくもありました。

もっとして欲しかったのですが、あっさり離れていってしまったので少し残念です。

でも、そのおかげで目が覚めたのでよしとしましょう。

そんなことを考えていると、不意に彼女が抱きついてきました。

突然のことに驚いてしまいましたが、すぐに落ち着きを取り戻しました。

そして、優しく抱きしめ返しました。

彼女の柔らかい肌の感触を感じることができます。

幸せな気分に浸っていると、彼女は顔を上げて微笑みました。

その笑顔があまりにも可愛くて思わず見惚れてしまいました。

ドキドキしながら見つめていると、不意に唇を塞がれてしまいました。

彼女の温もりを感じて頭が真っ白になってしまいました。

しばらくして解放されると名残惜しさを感じながら見つめ合います。

そして、どちらからともなく笑い出しました。

なんだか可笑しくなってきて止まりません。

そうしているうちに、朝食の時間になったので支度を始めることにしました。

服を着替えて身支度を整えてから、朝食作りに取り掛かります。

メニューは目玉焼きとウィンナーです。

焼いている間にサラダの準備をします。

レタスやキュウリなどを細かく切っていきます。

そして、完成したところで皿に盛り付けて食卓に並べます。

準備ができたところで彼女を呼びます。

一緒にいただきますをして食べ始めます。

最初は緊張していたのですが、慣れてくると美味しく感じられてきました。

彼女も喜んでくれているようで良かったです。

その後は、会話を楽しみながら朝食を済ませます。

それから歯磨きをして着替えます。

今日は、どこに行こうかなと考えていると彼女が提案してきました。

どうやら遊園地に行きたいようです。

私も行ってみたいと思っていたので丁度良かったです。

早速、準備をして出かけることにしました。

電車に乗って目的の場所まで向かいます。

車内は混雑しており座ることができませんでしたが、彼女と密着することができたので満足です。

しばらくすると、目的の場所に到着しました。

駅を出て歩いているとすぐに見えてきました。

大きな観覧車が特徴的な遊園地です。

とてもワクワクします。

テンションが上がってきたところで早速入場します。

最初に訪れたのはジェットコースターです。

迫力満点でスリルがありましたが、楽しかったです。

その後も様々なアトラクションを回りました。

コーヒーカップ、メリーゴーランド、ゴーカートなど全部で七つほど乗りました。

どれもとても面白かったです。

特に印象に残っているのはお化け屋敷です。

途中で彼女が怖がってしまい動けなくなってしまったのですが、なんとか慰めてあげたことで事なきを得ました。

彼女は感謝の言葉を口にしていました。

そして、その後も色々な施設を巡りました。

最後に訪れたのはお土産コーナーでした。

沢山のグッズがあり迷ってしまいましたが、結局何も買わずに出てきました。

代わりに一緒に写真を撮りました。

とても良い思い出になったと思います。

そんな感じで時間は過ぎていき、日も暮れてきたので帰ることにしました。

帰りの電車の中でもずっと手を繋いでいました。

彼女は、疲れたのか眠ってしまいました。

その寝顔が可愛くてつい見つめてしまいます。

起こさないように気をつけながら頭を撫でます。

サラサラとした髪の毛が気持ちいいです。

暫くそうしていると、彼女が目を覚ましました。

その瞳には眠気が残っています。

まだ完全に覚醒していないようです。

そんな彼女に向かって微笑むと、彼女も笑顔で返してくれました。

それだけで幸せな気持ちになれました。

その後も、電車に揺られながら眠っている彼女を見つめていました。

やがて、最寄り駅に到着して二人で降りると家に向かって歩いて行きます。

その間も手を繋いだままでした。

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