第19話 私と貴女⑲
手にはスーパーの袋があり、買い物をした帰りみたいです。
とりあえず、荷物を受け取って台所に持っていきました。
中身を確認すると牛肉とタマネギがありました。
なるほど、今日はハンバーグを作るようです。
とても楽しみです。
さて、晩御飯の準備を始める前に、まずは二人でお風呂に入りましょう。
そのほうが効率的ですし、彼女も喜びますから。
準備を終えてから浴室に向かいます。
お互いに素肌になった後、抱き合ってキスをしました。
舌を入れてきて絡め合っています。
しばらく続けていたのですが、流石に長すぎると判断して止めるように促しました。
名残惜しそうでしたが聞き分けてくれました。
その後は、二人で身体を洗いあっていきます。
泡まみれになりながら肌を擦り合わせる行為はとても気持ち良かったです。
特に胸のあたりが敏感なので注意が必要です。
そして、ようやく全て終わった頃には汗だくになっていました。
体を流してから湯船に浸かりました。
二人で寄り添い合って寛いでいます。
この時間が一番好きです。
会話はないけれど心が通じ合っている感じがして安心します。
しばらくそのままの状態でいたのですが、不意に彼女が話しかけてきました。
「ねぇ、貴女がどうして私を受け入れてくれたの?」
少し考え込んだ後、答えを口にしました。
それは簡単なことです。
私は彼女が大好きだし愛しているからです。
それ以外に理由はありません。
そのことを伝えると彼女は嬉しそうに微笑んでくれました。
それから少しの間沈黙が続いた後、今度は私が質問することにしました。
「貴女はどうして私を選んでくれたのですか?」
彼女は少し悩んでから答えを出してくれました。
彼女曰く、私のことを一目見た瞬間に運命を感じたとのことでした。
初対面だったはずなのに不思議です。
でも、きっとそれこそが恋なのだと思います。
お互いに見つめ合ったまま動けなくなっています。
やがてどちらともなく唇を重ね合わせていきました。
「んっ……」
舌先で歯茎をなぞられるとゾクっとします。
奥の方まで入り込んできて、上顎を刺激されるのが堪りません。
唾液を流し込まれるとゴクリと喉が鳴りました。
「ぷはぁ……」
ようやく解放された時には、すっかり蕩けてしまっています。
頭がボーッとして何も考えられない状態です。
彼女は私の頬に手を当てながら囁きました。
その声音は、とても甘く優しい響きを持っています。
まるで魔法にでも掛かったみたいに意識が遠退いていく感覚がありました。
「そのままでいてね、私は先にあがってハンバーグ作るね」
彼女はそう言って立ち上がりましたが、私はそれを引き止めるように抱き締めます。
彼女も拒むことなく受け入れてくれました。
そのまましばらく抱き合っていましたが、やがてお互いに離れました。
彼女が出て行った後、しばらくして私も脱衣所を後にします。
リビングに戻るとすでにハンバーグの匂いが充満しています。
どうやら調理が始まっているみたいです。
私も手伝うことにしましょう。
エプロンを着けてキッチンに入ると、ちょうど彼女が肉を捏ねている最中でした。
私も自分の分を作り始めるのですが、やはり慣れていないせいか手際が悪いです。
それを見兼ねたのか彼女が横からサポートしてくれました。
おかげで何とか完成に漕ぎつけました。
出来栄えも悪くありません。
後は焼くだけなのですが、これも彼女にお任せすることにしましょう。
私は冷蔵庫からビールを取り出して缶を開けます。
普段はあまり飲まないのですが、今日は特別です。
一口飲むと苦みと炭酸の刺激が広がりました。
その後は彼女と一緒にお酒を嗜みました。
色々な話をしながら楽しいひとときを過ごします。
気づけばかなり時間が経過していました。
そろそろ寝る時間です。
歯磨きをして寝室に向かいました。
電気を消して暗闇の中、ベッドに入った後、彼女はすぐに私に抱きついてきました。
その身体は温かくて心地よい感触です。
私も彼女を抱き返して、お互いに体温を感じ合っています。
次第に瞼が重くなっていき、眠りにつきました。
翌朝目が覚めると、隣には彼女がいました。
いつも通りの光景です。
おはようの挨拶を交わした後、軽くキスをしてから起床しました。
朝食の準備をしながら彼女の分も用意します。
メニューはトーストに目玉焼きとサラダです。
簡単なものばかりですが、十分でしょう。
テーブルに並べてから椅子に座り、二人揃って食事を始めました。
テレビではニュース番組が流れていますが、内容はほとんど耳に入ってきません。
それよりも向かい側に座っている彼女の存在の方が気になって仕方がありませんでした。
時折目が合うと恥ずかしくなって視線を逸らしてしまうのですが、その度に彼女は笑みを浮かべています。
その表情を見るだけで幸せな気持ちになれました。
食事を終えて片付けも終わった頃、彼女が突然話しかけてきました。
「ねぇ、この後どうする?」
私は少し考えてから答えました。
特に予定はないので二人でどこかに出かけるのも良いかもしれません。
「そうだね、じゃあデートしようか」
彼女は嬉しそうに返事をしました。
その後は身支度を整えて家を出ました。
向かう先はショッピングモールです。
到着後、最初に入ったのは服屋さんでした。
彼女は楽しげに服を選んでいます。
私はその様子を微笑ましく見守っていました。
時折試着室に入るたびにドキドキしてしまいます。
中にはとてもセクシーな衣装もありましたが、流石にそれは止めておきました。
でも、それでも十分可愛かったです。
彼女も気に入ってくれたようで、何着も購入していました。
その後はアクセサリー店を覗いたり、雑貨屋さんを見て回ったりと充実した時間を過ごしました。
最後に立ち寄ったのはカフェです。
ここで休憩することになりました。
店内に入るとすぐに店員さんに案内されます。
窓際の席に着くとメニュー表を開きました。
どれも魅力的に見えるのですが、ここは無難にケーキセットにしておきましょう。
注文を済ませて暫く待っていると商品が運ばれてきました。
コーヒーと一緒に出てくるのでとても美味しいです。
食べ終わった後は会計をして店を出ました。
外に出ると既に夕暮れ時になっていました。
そろそろ帰らなければいけません。
帰り道、彼女と手を繋ぎながら歩きました。
そして家に着いた後、また一緒にお風呂に入りました。
今回は背中を流してもらうことにしました。
優しい手つきで洗われると気持ち良くて思わず声が出てしまいます。
洗い終わった後は湯船に浸かります。
向かい合うように座って、お互いに見つめ合いました。
彼女の瞳を見ていると吸い込まれそうになります。
そのうちに段々と顔が近づいていき、唇が重なりました。
最初は軽く触れるだけのキスでしたが、次第に舌を絡め合う濃厚なものへと変わっていきます。
お互いの唾液を交換するかのように深く口づけを交わしました。
暫く続いた後、名残惜しそうに離れていきます。
二人の間に銀色の橋がかかりました。
それが切れる前に再び口づけを交わします。
今度は軽く啄むようなものです。
何度も繰り返しているうちに息が上がり始め、頭がボーっとしてきました。
そこで一旦中断することにしました。
上がった後は水分補給をします。
その後は彼女と一緒に晩御飯を作りました。
メニューはシチューとサラダです。
食事の支度が整ったところでテーブルに並べます。
いただきますと言って食べ始めました。
出来映えは上々でとても美味しかったです。
その後は、リビングのソファーに座ってテレビを見ました。
最近話題のドラマが放送されていたので見ることにします。
内容は、恋愛もので主人公である女性が様々な困難を乗り越えていくというものでした。
その過程でヒロインとなる男性に出会い惹かれていきます。
最終的にはハッピーエンドを迎えるのですが、その過程がとても感動的でした。
特に印象的だったシーンは主人公とヒロインのキスシーンです。
あのシーンを見ていると、胸が締め付けられるような気持ちになりました。
ドラマが終わり、就寝の時間になったので部屋に戻ります。
電気を消して布団に入り目を瞑ります。
暫くすると隣から寝息が聞こえてきました。
どうやら彼女は既に眠りについているようです。
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