確かに読み返したくなります

確かに読み返したくなります。

兄・晴翔の死が物語の終盤、結翔が結婚式の報告をしに来た場面で明らかになります。結翔の「今までずっとこのお墓を離れずに俺を見守っていてくれたんだよね」という言葉から、晴翔が既に亡くなっており、その場所が墓前であることが示されます。

それまで兄視点で描かれていた温かな日常や思い出が、すべて過去だったとわかる瞬間、物語は一気に切なさと深みを増します。

弟・結翔の成長と決意、そして兄の夢を継ぐ姿は涙なしには読めません。

穏やかで優しい筆致の中に、命の重さと絆の強さが美しく描かれた良い作品です。