第6話 秋葉原

​ サンフランシスコから日本へ、俺は急遽フライトを手配した。志鷹はヤマザキデイリーストアの件で手がかりを掴んだと言っていたが、それ以降の連絡は途絶えている。何かあったのではないか。胸騒ぎが止まらない。

​ 成田空港に降り立ち、急いで電車に飛び乗った。向かうは警視庁。だが、志鷹から届いた最後のメッセージは、俺の行き先を変えさせた。

​「俺は今、秋葉原にいる。このヤマザキデイリーストアの店員、ただの協力者じゃない。もう一つ、彼の正体がわかった」

​ なぜ秋葉原なのだ? ヤマザキデイリーストアは全国にある。その中でも、なぜ電気街として知られるあの街なのか? 俺の頭の中には、様々な可能性が渦巻いていた。

​ 駅に降り立つと、そこはアニメやゲームの看板がひしめき合い、多くの人々が行き交う活気に満ちた街だった。俺は志鷹が指定した場所へと向かった。

​ 秋葉原のメインストリートから一本入った裏路地。雑居ビルの地下にある小さなレンタルオフィスの一室。そこに志鷹がいた。彼の顔には疲労がにじみ出ていた。

​「どういうことだ、志鷹。なぜ秋葉原なんだ?」

​ 志鷹は、机に広げられた写真や書類を指差した。

​「このヤマザキデイリーストアの店員、実は過去に、秋葉原の小さな模型店で働いていたことがあった。その模型店は、警察が捜査していた偽造カード事件の資金源になっていたんだ。そして、その偽造カードを制作していたのが、あの殺し屋だ」

​ 俺は驚きを隠せない。ミニストップの事件から始まった捜査が、秋葉原の地下に隠された、偽造カードの闇へと繋がっていた。

​「そして、このヤマザキデイリーストアの店員も、殺し屋の仲間だった。彼は、偽造カードを使い、客の個人情報を盗んでいた。それを殺し屋に流していたんだ。だから、殺し屋が狙っていた人間は、その情報を基に選ばれていたんだ」

​ 志鷹は、さらに衝撃的な事実を告げた。

​「殺し屋がターゲットにしていたのは、あの内引きをしていた作業員だけじゃない。東和銀行の鳩崎支店長と、志鷹建設の社長もだ。彼らは、殺し屋に依頼した後、自分たちの口封じのために、その殺し屋に殺される予定だった。そして、このヤマザキデイリーストアの店員が、その段取りをすべて組んでいた」

​ 俺は、すべてが繋がったように感じた。小さなコンビニの内引き事件が、秋葉原の闇と結びつき、やがて巨大な犯罪組織の全貌を暴き出した。志鷹は「コンビニ刑事」として、日常に潜む非日常の闇を追い続けていたのだ。

​「あとは、奴らのアジトを見つけるだけだ」

​ 志鷹の目は、次の戦いへと向かっていた。俺は再び、志鷹の戦いに巻き込まれていくのを感じた。そして、俺たちの戦いは、まだ終わらない。

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