時間と記憶、そして世代を超えたつながりを感じさせる温かな作品であると感じました。
祖父の影響や、幽玄の世界に現れた天女、その贈り物が全て見事にリンクして、主人公のこの先の成長をも示唆しているあたりが、とても素敵だと思いました。
お代が半襟なのも、素敵です。
お金のやりとりがないあたりは、さすが天女、そこは感心しました。(不遜な言い方でごめんなさい。)
個人的には、「寿命は延ばせないけれど、寿命までは健康でいられる」というメッセージは、深く心に残ります。そうでありたいものです。
着物という文化を通して、主人公がじいちゃんやばあちゃんとのつながりを再確認し、彼自身もまた大切なものを引き継いでいく姿は、美しく頼もしく感じました。
ちょうど最近、近所にあった和服の洗い張りをしてくださるお店がお店を閉めてしまい、これからはどうしようと思ってあちこちのクリーニング屋さんをさまよっていたので、個人的には非常にタイムリーでした。
今回の、天女のお話は、名作ぞろいだと思います。本当に。