2出勤目 風俗嬢の家庭菜園

ふと思いついた時に植物を買うことがある。

ホームセンターでリトープスという名前の小さな多肉植物を買ってきて、おしりという名前をつけて育てていた。


しばらくするとおしりは割れ目のところが裂けて、中から脳みそのようなものが出てきた。


脳みそはおしりの芽らしいのだが、しわしわだし赤黒いし気持ち悪いな、と思っているうちに歓迎されていない事に気づいたのか枯れた。


その後はガチャガチャで出てきたサボテンの種を大切に育て、難しいと言われる発芽も無事出来て

米粒くらいのサボテンを育てていたのだが、庭でひっくり返して消失した。


年始に今年の干支であるヘビの形をした可愛い植木鉢に入っているサンスベリアは、日の出ている暖かい日中に日向ぼっこをさせようと庭に出し、引き入れてやるのを忘れて夜の寒さに負けて枯れた。


そんな感じで何かと上手くいかない植物生活だったのだが、初夏のころにプランターとミニトマトの種を買ってきて植えた。


小学生が育てるレベルの植物であれば、さすがに私も育てられるだろうと思い

その思惑通りすくすくと育ったある日、飼い犬を庭で日光浴させながら密集している芽の間引きをしていたところ

翌日根こそぎ犬にむしり取られ、プランターは更地になっていた。


散歩中に雑草を食べながら歩く犬なので、私が草をむしり食っていると思ったのだろう。


もう植物を育てるのはやめようと思った休日だった。



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