第18話:新たなる旅路<アラタナル・タビジ>
宇宙のコアとの対話を経て、「時の超越者」となったカイトとリナは、地球へと帰還した。彼らは、クロノスと進化したタイム・ファクターの力で、世界中の荒廃した土地を完全に再生させた。荒れ果てた大地には緑が蘇り、絶望に満ちた空は、希望に満ちた青空へと変わった。
世界の人々は、カイトとリナを「英雄」として迎え入れた。彼らの存在は、旧来の国家や組織の枠を超え、新たな世界秩序の象徴となった。しかし、カイトとリナは、権力や名声には興味がなかった。彼らの心は、宇宙のコアから与えられた、無数の未来を創造する力と、まだ見ぬ宇宙の真理へと向かっていた。
「リナ、次の旅に出よう。この力は、地球のためだけじゃない。宇宙全体の、未来を創るためのものだ」
カイトが、クロノスのコックピットの中で、穏やかな笑顔でリナに語りかける。リナもまた、その言葉に深く頷いた。
「ええ。私たちの旅は、まだ始まったばかりだもの。宇宙のどこかに、ヴァージンのような、時空の歪みから生まれた存在が、他にもいるかもしれない」
彼らは、クロノスとタイム・ファクターを融合させた新たな機体、「エグゾフレーム・ユニバース」を起動させた。ユニバースは、クロノスの漆黒の機体と、タイム・ファクターの透き通ったクリスタルが融合した、神々しい姿をしていた。
ユニバースは、地球を後にし、銀河へと飛び立っていく。彼らの旅は、もはや過去の過ちを正すためではない。新たな未来を創造し、宇宙に希望を広げるための旅だった。
その時、ユニバースのモニターに、微弱な信号が届いた。それは、これまでに出会ったどの文明とも違う、未知の言語と、複雑な幾何学模様のデータだった。
「カイト、これは……知的生命体の信号よ! しかも、私たちの知らない、すごく古いタイプの文明だわ」
リナが興奮した声で叫んだ。信号は、銀河の果てにある、星図にも載っていない惑星から発信されていた。
「よし、行ってみよう。きっと、俺たちがすべきことが、そこにある」
カイトは、ユニバースの出力を上げた。彼らの新たな旅路は、未知の知的生命体との出会い、そして、宇宙に隠されたさらなる真実へと向かっていく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます