モキュメンタリーホラー映像を作ることになりました
鈴木一矢
株式会社エイトフィルムズ 企画会議議事録(抜粋)
株式会社エイトフィルムズ 企画会議議事録(抜粋)
開催日時:2024年1月9日
出席者:代表取締役 成瀬、プロデューサー 井村、ディレクター 坂下、ほか三名
成瀬『この間も話題になってたじゃん』
井村『リアルに見えるのがいいですよね。安っぽいカメラとか映像の感じが』
成瀬『SNSとの相性もいいし、なによりほら、
予算そんなかかってないでしょあれ?』
井村『そうですね〜、売れてる俳優とか使っちゃうと一気に創作感が出ますから、
基本は無名の人たちになると思います。
売れてない小劇団の子とか……なのでキャスティング費用は抑えられるかと』
成瀬『なんならロケ地も誰かの家とかでやったりすればいいまであるもんな。
まぁ、どういう内容にするか次第ではあるけど……
んじゃ次はモキュメンタリーホラーでいこう。坂下くん、頼んだよ』
坂下『ぼ、僕ですか? 正直ホラーとかめっちゃ苦手なんですけど』
井村『苦手な奴がやった方がリアルになんだろ。
とくにこのジャンルは演出の仕方が全てみたいなとこあるし……
それに若手といえば低予算ホラーっていう流れは、
この業界じゃ当たり前だからな。登竜門だと思って頑張れ!』
(笑い声)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
上記は2025年2月に廃業した映像制作会社に残されていた記事録である。廃業理由は明らかになっていないが、世田谷区にある事務所にはまるで夜逃げでもしたかのような形跡があったそうだ。この議事録は今月、2025年9月に私の元へとメールで送られてきたものだ。数多くのデータや資料と共に。
乱雑でゴミのようなデータも多いが、これから少しずつ送られてきた資料や情報を読み、彼らが何を作ろうとしていたのか、なにがあったのかをまとめていきたいと思う。先に言っておくが、私がこれから更新していくものを読んでも呪われたり、ましてや呪いの拡散のためにこれを掲載するなどは一切ないと約束する。
そんな単純なことではないのだ。
※プライバシー保護の観点から社名は変更しています
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます