紅蓮の艦~王子たちの狂 愛に囚われて~
月野あまね
序章 運命の糸
霧深い森の奥で、一人の少女が血を流しながら倒れていた。
栗色の髪が泥にまみれ、質素な服は破れている。だが、その美しい顔立ちは、平民の出とは思えないほど気品に満ちていた。
「こんなところに女が一人で?」
低く響く男性の声に、少女——リリア・ローゼンベルクは薄っすらと目を開けた。
視界に映ったのは、金色の髪と深い青い瞳。整った顔立ちは彫刻のように美しく、身にまとう衣服は明らかに高級品だった。
「あなたは...?」
「第二王子アルフレッド・フォン・エルデンリッヒだ。君こそ何者だ?」
王子。その言葉に、リリアは身を震わせた。自分のような平民が王族と関わるなど、あってはならないことだった。
「す、すみません。私は...」
言いかけた時、リリアの意識は再び闇に沈んだ。
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