第1話 宮廷への招請
三日後、リリアは王都の中央病院で目を覚ました。
白い天井、清潔なシーツ、そして枕元に置かれた美しい花束。全てが夢のようだった。
「目が覚めたのですね」
振り返ると、先日助けてくれた第二王子アルフレッドが立っていた。昼間の光の中で見る彼は、さらに美しく、そして近寄りがたい威厳を纏っていた。
「あの、殿下...私のような者を助けていただき、ありがとうございました」
「君の名前を聞いていなかった」
「リリア・ローゼンベルクです」
アルフレッドの眉がわずかに上がった。
「ローゼンベルク?その姓は...」
「はい、ただの平民です。花屋の娘で...」
だが、アルフレッドの表情は複雑だった。ローゼンベルク。かつて王室に仕えていた名門貴族の名前。だが、その一族は十五年前に反逆罪で処刑されたはずだった。
「リリア」
「はい」
「宮廷で働かないか?」
突然の提案に、リリアは目を丸くした。
「え?でも私は...」
「君には何か特別なものを感じる。きっと宮廷で役に立つだろう」
それは運命の始まりだった。
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