EP3(4)
とりあえず自走出来た1台だけ自走で路肩に止め、1車線で通行は再開された。
「お疲れ様でした!捜査頑張って下さい!」
交通専務に見送られ、再び車に乗り込むと1時間半弱遅れて現場へと目指した。
と思ったらまた入電する。まぁこの東京という都市は人が多い分犯罪も多いのだが続け様は疲れた。
〈警視庁から各局。旧深山運送第3倉庫にて立て籠り事案発生。急行せよ〉
「ここって」
「はい。見つかった場所から100mも離れてませんよ。しかもヴァルキリー関連の事件現場でもある。これは……」
「行くしかないですねー」
深山運送第3倉庫、か。梛は考えた。唯川の同期の捜査2課の刑事がヴァルキリー関連で殺されたのであれば、この立てこもりもヴァルキリーの元構成員が関わっている。そしてまた様々な違法品の取引の噂が回って来ている。警察への恨みとヴァルキリーという組織の立て直しを図っているのかもしれない。
四方八方からけたたましいサイレンとパトランプと共に何台もの警察車両がやってくる。
騒ぎを聞きつけて駆けつけた野次馬をかき分けてポリステープを潜る。
「てめぇらか。ヴァルキリー専門係ってのは。って、お前捜一の暴れ馬!なんで公安側にいるんだよ」
satの隊長、土井剛がやってくる。
その後ろから若い隊員が小走りでやって来た。
「隊長!その人たちですか?あれ……?聖園?聖園だよな!お前ゼロになったんじゃないのか?」
ゼロに配属されると色々消されたり不自然になるため同期は勘づくやつもそれなりにいる。
「覚えてるか?龍山だよ、龍山優希」
「知り合いか?」
「はい!聖園は頭はもちろんですけど拳銃の腕が特に良かったんですよ。2回目の練習で全部真ん中に当ててるんですよ!?それなのにすぐ消えて連絡取れないから引き抜き準キャリアで警察庁、ゼロ行ったんじゃないかって。顔出してるってことは何があったかは知らないけど生きてるなら良かったよー」
「へぇ、貴方も最初はノンキャリで行こうとしてたんですね。あんなこと言ってたのに」
瞠の脳内に梛が言った「帝都大ブランドをなぜ捨てれた」という言葉が駆け巡る。
捨てようとしたじゃないか。一度は啓央ボーイというブランドを。
「結局捨てれずに国家公務員なんですからいいでしょ。それで、状況は?」
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