Chapter 7:The Crowned Bloom

「無茶なお願いを聞いてくださってありがとうございます。改めて自己紹介させてください。蜂須賀薫と言います。このパティスリーのオーナーでパティシエをやっています。そして、篠宮伊織の幼馴染です」


シンと静まり返ったリビングに僕の発した声が響く。

先ほど淹れたコーヒーの香りがふわっと漂い、深呼吸をするとその香りで強張っていた体と心が解けていく。


斜め前に座っている男は僕をまっすぐ見つめてくるが、自己紹介を聞いてニコッと可愛らしい笑みを浮かべた。

それを見てまた心がざわっとした。


これは多分…。


「私は瀬田瑞樹(せたみずき)と言います。ラジオ局でディレクターをしていまして、IORIさんと一緒に番組を作っています」


自己紹介と同時に差し出された名刺を受け取る。

この名前…伊織と話していた時に出てきていた…。そうか、この人が瀬田さん。


手元の名刺に視線を落としたまま、心はさらにざわついていく。

それを振り払うようにそっとテーブルに置いた。


「それで、相談事と言うのは?IORIさんについてと伺いましたが」


瀬田が首を傾げこちらを見てくるが、そんな仕草さえも可愛らしい。昼間から心の中で思っていたことがどんどん大きくなっていく。


「瀬田さんはいーくん…。あ、伊織くんとどういった関係なんですか?」


我慢していたが、思わず気になっていた事が口から出てしまった。


「あっ、ごめんなさい!今の忘れてください」


慌てて謝るが、瀬田が大きな笑い声をあげたのでぽかんとしてしまった。


「そういうことですか。心配しなくてもIORIさんとはただの仕事仲間ですよ」


さっきの質問がそんなに可笑しかったのか、今も声を押し殺して笑っている。


そんな瀬田の姿を見てホッと胸を撫で下ろした。今の反応で本当にただの仕事仲間なんだって分かった。


「それよりも、最近IORIさんからよく幼馴染の話しを聞かされるんですが…あなたの事だったんですね」


「え?」


そんな…僕の話しなんてしなくていいのに…。

恥ずかしくなって、思わず伊織に文句が言いたくなった。


「お二人は本当に仲が良いんですね。僕は親友でもそんなに頻繁に会うこと無いから…。あ、一人いるけど職場が一緒だからな…」


「いーくんと一緒に住んでるんで、必然と毎日会うというか…」


照れながら瀬田の方を見ると…。


固まってる?あっ…。もしかして知らなかった…?


「え?IORIさんと一緒に住んでるんですか?あのIORIさんと一緒に住むとか…ちょっと無理」


思わず僕も固まった。伊織は気遣いが出来て優しいから誰と一緒に住んでも卒なくこなしそうなイメージなんだけどな。


何となく違う方へ話しが進んでる気がして、リセットするためにも瀬田にコーヒーを勧める。


コーヒーを飲む瀬田をぼーっと眺めながら、こんな風に可愛かったら悩まなかったのかな…と溜息が漏れた。


「IORIさんと一緒に住んでるのでしたら、私よりもIORIさんの事をよく知っていると思うんですけど…。相談したいことって?」


マグカップを両手で持ちながら首を傾げる瀬田を見て、ほとんど初対面なのにこんな相談して良いのかと改めて迷ってしまう…


しんと静まり返ったリビングに、瀬田のコーヒーを飲む音だけが聞こえる。


覚悟を決め、深呼吸をすると…


「大事な人だって気付いたけど…。でも、それは多分、抱いちゃいけない感情なんだと思うとどうしたら良いのか分からなくて…」


誰かに吐き出したい気持ちが強くて、うまく言葉に出来ない。

なんとなく瀬田の方を見ることが出来なくて、視線を足元に落とした。


「それで最初の質問だったんですね。IORIさんを好きなことで誰かに迷惑を掛けるんですか?そうじゃなければ別に好きなようにして良いんじゃないですか?」


優しい声に思わず顔を上げると瀬田と目が合った。

その途端、ニヤッとした顔に変わった瀬田に言葉も出ない。


「私はせっかちなタイプなんで待つとか苦手なんですよ。なので、好きになった相手にはすぐ言っちゃいますけどね」


それを聞いてもなかなか理解が出来ない。見た目で判断してはダメなんだろうけど、瀬田はしっかりしていて何事もちゃんと考えてから行動するタイプに見えるから。


「特にIORIさんなんて言わないと気付かないですよ…。あの人、ああ見えて恋愛に関しては鈍感ですからね」


え?瀬田から見るIORIと僕から見る伊織では解釈が違いすぎて…。


「あとは蜂須賀さんがどうするか…ですよ。多分…私が思うに、気にしすぎなくても良いかと」


残りのコーヒーに口を付けながら、仕事中の伊織の事を色々と話してくれた。


僕の知らない伊織を知ってるって…ちょっと悔しいな…。

 

でも…なんか羨ましい…。


「さて、そろそろ帰りますね。コーヒーごちそうさまでした」


瀬田が小さく笑いながらマグカップをテーブルに置き立ち上がった。




「今日はわざわざ来てもらってありがとうございます。あと…今日の話しで不快な思いをしたかもしれないので…謝ります。ごめんなさい」


玄関のドアノブに手を掛けた瀬田が振り返った。


「俺とIORIさんの事を心配してましたよね。でも、本当に気にしなくて大丈夫ですよ。だって…俺も恋人いますから。同性の…」


「……!」


僕がビックリしているうちに、ニッコリと笑顔で頭を下げて帰っていった。


瀬田の優しさに泣きそうになる。


パタンと閉まったドアの前でしばらく立ち尽くした。

 




瀬田が帰ってからリビングに戻り、またソファーに座ってぼーっとしていると頭に浮かぶのは伊織のことばかり。


自分はどうしたいんだろう…とさっきから同じ疑問を永遠とループしている。


『IORIさんを好きなことで誰かに迷惑を掛けるんですか?そうじゃなければ別に好きなようにして良いんじゃないですか?』


瀬田に言われた言葉が頭に浮かんだ。


自覚してしまうと隠し続けることなんて出来ない。


そう思ったらやる事が決まって頭がスッキリした気がする。


「やっぱり僕が気持ちを伝えるなら…ケーキがないと」


伊織に気持ちを伝えるためのケーキ。僕が思う伊織のイメージを形にしたケーキにしたいな…。


そう思ったらもう、足が工房へ向かっていた。




「う〜ん…。どれが良いかな…」


静かな工房にペラペラとページを捲る音だけが響く。


今まで作ってきたレシピが全部入っているファイルを作業台の上に積んで順番に見ていくが、なかなかイメージに合うものが見つからない…。


3冊目のファイルのページを捲っていると…


「あ、これ!でも…。もう少し特別感を出したいよな…」


引き出しから紙をとペンを取り出し、変更する箇所を書き加えていく。



「とりあえず、こんな感じかな。あとは…材料が揃っているから確認して…」


うん、大丈夫そう。今工房にある材料で作れそうだ。


もうすぐ12月っていうのも良かった。ここからクリスマス、年末年始に向け繁忙期になるため多めに材料を発注していた。


もう一枚引き出しから紙を取り出すと、明日と当日にする作業手順を書き出すため頭の中で作業工程をシミュレーションしていく。


どう動いたら時間のロスがなく、余分な作業が出ないか。


何度も頭の中で繰り返す。「仕事は準備が8割で残りの2割で実行する」と言うが、まさにその通りだと思っている。

これをきっちりしないと何か抜け落ちたりすることがあって、結局作り直しなんて事になりかねない。


「よし、これでいける!」


今から作るのが楽しみ。作業手順を書いた紙を見て口元が緩んだ。


それを丁寧に引き出しへ仕舞うと、工房の照明を消した。





「朔久くん、今日もお疲れ様でした」


日曜の営業も無事に終わり、店の方の片付けも終わったところ。

ようやく伊織のためのケーキに取り掛かれる。


「この後、まだ工房使うから朔久くんはもう上がって大丈夫だよ」


「そうなんですか?なんかハチさん、楽しそうですね」


橘はそれだけ言うと「お先に失礼します」とあっさり帰っていった。


もしかして僕、浮かれてる?

気を引き締めないと手順間違えるかも…。


手順の最終確認と気分を切り替えるためにもコーヒーを淹れた。




「よし、今日使う分は全て計量したし、道具類も準備した」


作業台の上に並べられたものを見渡し、最後に伊織の事を思い浮かべる。


さて、始めよう!



オーブンの予熱をすると作業台に戻る。


まずはジェノワーズ生地。湯煎をしながら砂糖を入れた卵を泡立てていく。

ふんわりときめ細やかに泡立ったら粉を入れ、ボウルの底からさっくりと手早く混ぜる。


表面に艶が出てきたら型に流し入れ、おまじないのように底を手でトントンと叩く。


「うん、完璧!」


オーブンに入れると次はビスキュイ生地だ。


卵黄に砂糖を加え混ぜ合わせ、卵白も泡立てていく。

滑らかで綺麗なツノを見て、その出来栄えに思わず口元が緩んでしまう。

慌てて気を引き締め、泡立てた卵白をホイッパーでひと掬いし、卵黄の生地と混ぜ合わせる。

残りの卵白、粉の順番にさっくりと底から大きく混ぜていく。


絞り袋に入れ、丁寧に生地を絞り粉糖を振ると、まるで粉雪を纏ったようにキラキラとしている。


「よし、これもオーブンに入れて…と」


その間に…次はフィヤンティーヌクランチか。


チョコを湯煎にかける。徐々に溶けていくチョコをぼーっと見ながら頭の中ではケーキを作った後のことを考えていた。


勢いでケーキを作り始めたのはいいが、どうやって伊織に伝えたら良いんだ?


答えが出る前にチョコが溶け、それをフィヤンティーヌと混ぜ合わせ薄く広げて冷ます。


工房の中は生地の焼ける甘い香りと先ほどのチョコレートの香りが混ざり合って思わず深呼吸をしたくなる…電子音が鳴り、生地が焼き上がったことを知らせてくれた。


オーブンのドアを開けるとふっくらとして綺麗な焼き色のついたジェノワーズ生地が見えた。

手早く取り出し、霧吹きで水を吹きかけピタッとシートを貼り付ける。


ジェノワーズ生地が上手く焼けたことで思わず「ふぅ〜」と息を吐き出し、一段落付いたような気になってしまった。

まだまだビスキュイ生地はオーブンの中だ。


洋梨のシロップ漬けを軽く煮てリキューで味を整えた頃、丁度良くビスキュイ生地が焼きあがった。


こちらの焼き具合も文句なし!


「あっ!」


一番大事な作業が残ってた…。


慌ててムースの準備に取り掛かる。このムースは今日作って冷凍しておかないといけない。


氷水に入れた板ゼラチンを触って柔らかさを確認すると、卵黄と砂糖を白っぽくなるまですり混ぜる。


温めたシャンパンにゼラチンを入れ溶かすと先ほどの卵黄と混ぜ合わせる。


「シャンパンムースってなんか贅沢だよね」


そんな事を思いながら七分立てにした生クリームを混ぜ合わせ、用意しておいたセルクルに流し込み冷凍庫へ。


作業台を見渡し、残っている材料がない事を確認すると大きく伸びをした。


壁の時計に目をやると夜の8時過ぎ。思ったより早く終わったが、結局ケーキを作る事に夢中で伊織にどう気持ちを伝えたらいいのかという答えは出ないまま。


「今日中に答え出さないと…」


手早く工房の片付けをして自宅に戻った。

 




いつもの休みと同じでスッキリと目が覚めた。


今日はケーキの仕上げをしないといけない。

アラームをセットして寝たはずなんだけど…。


もしかして気付かずに寝過ごした?


そう思い枕元を探るけどスマホが見つからない。


「あ…。リビングに置きっぱなしだ…」


でも、部屋の空気はひんやりしていてカーテンの隙間から入る光も柔らかい。寝過ごしたとしても大丈夫そう。


それにしても、こんなにぐっすり眠れるなんて…。


「僕って案外神経図太いのかもな」


小さな笑い声が静かな寝室に溶けていった。


今夜、伊織が帰ってくる。それまでにちゃんとケーキは完成させないと…。


ベッドから降り、身支度を整える。

朝ごはんを食べようとキッチンへ向かうと、正面の窓から差し込む光が眩しかった。





残りの材料を用意し、昨日焼いた生地を取り出す。作業台の上に並んだものを見て胸が高鳴った。完成したケーキを見た時の伊織の顔を想像すると、まだひんやりとしている工房内とは反対に心が温かくなる。


「さて、昨日の続きをしよう」


そう気合いをいれ、作業に取り掛かった。


セルクルの内側にビスキュイ生地をぐるっと立て掛け、底には一回り小さい生地を敷く。洋梨のリキュールを使ったシロップを打つと、ふわっと甘い香りが広がる。


板ゼラチンが戻っていることを確認すると、次は洋梨のムースに移る。


温めた洋梨のピューレに板ゼラチンを入れるとスッと溶けていく。ゆっくりと丁寧に混ぜ合わせ、温度が下がるのを待つ間に生クリームを泡立てる。


さすが冬は温度が下がるのが早いな。


手にした温度計の数値を見て、思わず口元が緩む。


生クリームをホイッパーでひと掬いし、洋梨のピューレへ。滑らかに混ざり合ったら今度は生クリームのボウルへ戻す。さらに混ぜ合わせていくとほんのり黄金色のような淡いクリーム色に変化していく。


「さて、ここからはスピード勝負だ…」


ふーっと息を吐き、気合いを入れ直す。


先ほどビスキュイ生地をセットしたセルクルに薄く洋梨のムースを伸ばしていくとフィヤンティーヌクランチを散らす。そこへ冷凍のシャンパンムースをそっと乗せた。


隙間を埋めるように洋梨のムースを流し込むと、ヘーゼルナッツ入りのジェノワーズを乗せ、軽く押さえる。


ひとまず今日一番の山場を超えたことにホッとした。


でもここで手を止めるわけにはいかない。


角切りをした洋梨のコンポートを散らし、残りの洋梨のムースを流し込んでいく。少しだけ表面を平すとムースを固めるため冷蔵庫へ。扉を閉じるとホッと肩を撫で下ろした。



作業台の上を片付けながら今夜のことをボーッと考える。

伊織が帰ってくるまであと5時間しかない。ケーキは殆ど完成しているから…


「あっ、晩御飯!ケーキに夢中で忘れてた…」


慌てて自宅に戻った。



寒くなってくると温かいものが食べたくなるよね。うん、晩御飯はシチューにしよう。


それならご飯よりパンが合うよね。


ベーカリーに行くとパンの焼ける香りに癒され、思わぬ気分転換になった。


あとは、仕上をしたら準備完了。


けれど、伊織には何て言ったらいいのな…考えても考えても答えが出ない。

でも、多分伊織の顔を見たら頭真っ白になる気しかしない。


もう、出たとこ勝負でいくか…。


顔を上げると空は雲ひとつ無く澄み渡っていて、モヤモヤっとしていた頭がスッキリしていく。


「早く会いたいな…」




工房へ戻り、冷蔵庫からケーキを取り出すと、ちゃんと固まっているのが分かり笑みが溢れた。


よし、仕上げに取りかかろう。


シロップに漬かった洋梨を薄くスライスしていき、等間隔を意識しながら少しずつずらして円を描くように重ねていく。


一枚、また一枚。だんだんと花開いていき、最後の一枚を乗せた時、ふっと伊織の笑顔が浮かび、心がじんわりと温かくなった。


「華やかさ」これは伊織のためのケーキを作るって決めた時に最初に浮かんだ言葉。だから…仕上げには一番気持ちが乗るのかな。


刷毛でナパージュをさっと塗ると、瑞々しい大輪の花が開いた。


チャービルを飾り、セルクルを抜く。


そして最後に…赤いリボンを掛ける。


なんとなく「運命の赤い糸」って感じがしない…かな?


ちょっと恥ずかしいけど。




伊織が帰ってくるまで何をしたらいいのか分からなくて、とりあえず本でも読もうと開いたんだけど…。

さっきから同じところを目で追っていて、全然内容が入ってこない。


なんだかずっとそわそわしてる。大きな溜息を吐いて、そっと本をテーブルに置いた。


ガチャ。ガタガタ…


音が聞こえて慌てて玄関に走ると待ち焦がれていた顔が見えた。


「ハチ、ただいま」


「……」


僕を見て柔らかく笑う伊織が…なんだかその笑顔に照れてしまって、どうしていいのか分からなくて立ち尽くしてしまった。


「ハチ?」


「あ…。おかえりなさい」


「うん、ただいま」



さっき一人で居た時はしんと静まり返ってどこか冷たかったリビングが、伊織が居るだけで途端に暖かくなった気がする。


「ハチ、ちょっといい?」


先にソファーに座った伊織が、ポンポンと隣を叩いたのでおとなしく座ると伊織から冬の匂いがした。


「ハチ、これ…俺からのプレゼント」


手のひらほどの箱を渡され、なんだろうと思いながらも開けると…


繊細な赤いコードが綺麗な輪を描いていた。真ん中には…赤い石がついてるんだけど…なんの石だろう?


「それ、全部に意味があって…」


照れて髪をいじっている伊織の方を見た時、手首に同じものが付けられていることにビックリして手元の箱を二度見してしまった。


「赤いコードは…赤い糸に見えるだろ。それと…その石は…。俺の誕生石のガーネットで…」


「え?」


よく見ると伊織の方は水色の石が付いてる?


「それを見て、ハチにいつでも俺のことを思い出して欲しくて…。あー、もう!」


急に叫んで「しっかりしろ、俺」とか言って頬を両手でパチンと叩いている伊織にあっけに取られる。


「ハチのことが好きなんだ。運命の赤い糸っていうだろ。だからどうしてもハチにそれを贈りたくて。俺の恋人になってくれない…かな?」


目の前の伊織は心細くてどうしたらいいのか分からないって感じの顔をしている。

いつも自信たっぷりでキラキラしている伊織からは想像もできない。


なんだかそんな伊織が可愛くて口元が緩んでしまう。


「うん!僕もいーくんのことが好き!」


思わずギュッと抱きついた。




しばらくそのまま抱き合っていたんだけど…。そうだ、ビックリしすぎて肝心なことが頭から飛んでいた。


気持ちを落ち着けたくて、一度大きく深呼吸をする。


「僕からもいーくんにプレゼントしたいものがあるんだ」


伊織の手を引きキッチンへ連れていくと、冷蔵庫から慎重にケーキを取り出す。


「僕の思ういーくんをイメージしてみたんだけど…」


太陽のように暖かくて、人目を惹く華やかさ。でも、どこか不器用でこだわりもある…。そんな伊織を7層で表現した『洋梨のシャルロットケーキ』


「赤いリボンが掛かってる」


「赤いリボンって…運命の赤い糸って感じがしない?」


二人で目を合わせ笑った。おんなじ事を考えてたなんて。それだけでもう何も心配しなくてもいいんだなって思えた。


胸の奥がじんわりと温かくなる。これからもこうやって隣で暖かさを感じていくんだろう。

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