Our Bond Novel Relay~私たちの絆が物語を紡ぐ~(しのサイド)
おおにし しの
第2話
都梨蓮先生の第一話↓
https://kakuyomu.jp/works/16818792439736567313/episodes/16818792439885935592
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学校からの帰り道
「はあ……」
私、
「助けてくれたあの人……一体何者なんだろう」
この前、変な人から助けてくれた謎の人物――名前や年齢はおろか、性別すらもわからない――のことが頭から離れない。
これは何なのだろう。
胸がドキドキする。あの人のことで頭がいっぱいだ。
もっと知りたい。もっと話したい。もっと―――
「どうしたんだ?そんな顔して」
突然背後から声をかけられ、振り返ってみれば幼馴染の
「なんだ虹斗か、びっくりした」
「なんだとはなんだよ。でも、いつもの宵華に戻ったか」
「いつもの?」
「いや、柄にもなく難しそうな顔をして、なにか考え事をしてるような雰囲気だったから」
たぶんあの人のことを考えていたからだろう。
「ふうん」
「ていうか、宵華俺に冷たくないか?」
「そう?そんなつもりはないけど」
「うーん、何ていうか俺が話しても上の空っていうか」
え?嘘!もしかして私、虹斗と話すときもあの人のこと考えちゃってる!?
「嘘、ごめん」
「別にそれでもいいんだけど、最近宵華が変わった気がしたから気になって。でも、杞憂だったっぽいから安心したよ」
「じゃあ」と言い、虹斗は走り去っていった……速くね?
私を気にして話しかけてくれたのだろう。虹斗は優しいな。
私はわかっている。虹斗が私を好きなことを。
私と虹斗は幼馴染で、子供の頃よく遊んでいた。
中学に入ってからも、以前と変わらずに接してくれた。傍から見たら何も変わっていなかっただろう。
だが、細かい態度だったり言葉だったりが優しくなり、私を気遣うようになっていた。
こころなしか距離も遠くなった気がする。
そんなある日、ある女子の会話が耳に入った。
『東雲くんって、実は天津さんのこと好きらしいよ』
『え、本当に?確かに二人は幼馴染だって聞くし……二人でいるところよく見るもんね』
『そうそう。しかもさ―――』
確証はない(話していた人には聞くわけがない。本人なら尚更だ)が、これで虹斗の変化に合点がいった。
が、いつになっても虹斗からのアプローチはなく、時間は進み私達は高校生になってしまった。
正直、当時のことをあまり覚えていないが少なくとも好印象を持っていたはずである。告白されたらOKを出すくらいには。
だが今、私の頭にあるのはあの人のこと。
私はあの人のことを好きになってしまったのだろうか。
中性的な声と顔立ちで、性別はわからない。
それでも、あの人のことを考えるとドキドキして、もっと知りたい!ってなる。
私は、恋をしてしまったのだろうか。
だからこそ複雑である。
虹斗は私のことが好きだ。
私はあの人のことが好きなのかもしれない。
私、天津宵華は悩んでいる。
◆
俺、東雲虹斗は天津宵華のことが好きである。
幼馴染で、ずっと好きだった宵華。
いつから好きだったかはわからないが、はっきり好きを自覚したのは中学の頃である。
それからというもの、なかなか以前のように接することはできず、距離が離れているように感じる。
これは俺の悪い癖で、自分で言うのも何だが、かなりツンデレだ。
宵華はめちゃくちゃかわいい。
前髪で隠れていて気づいている人は少ないが、めっちゃかわいい。
だからもし宵華が前髪を整えて来たら結構な男子生徒が宵華のことを狙うだろう。
それだけは避けたい。
だから、そうなる前におれが告白しなければならないのだが……勇気が出ない。どうしたらいいのだろう。
そうこう考えているうちに家についたようだ。
「ただいま」
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この度、
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