第3話 鏡の中の目
真理子はふと、その鏡を覗いた。
その瞬間、彼女の背筋が凍った。
鏡の中にいる“自分”の目が、明らかに違う方向を見ていたのだ。
まるで誰か“別のもの”が中からこちらを見ているように。
そして、鏡の中の真理子が口を開いた。
「呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪」
その口の動きに合わせて、部屋の四隅に置かれていたお札がふわりと宙に浮いた。
真理子は目をそらそうとした――が、もう遅かった。
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