第5話小学3年生
学校生活の思い出も特にない。けれど1つ人生初体験をした。救急車で搬送されたことだ。
花粉症が酷く日常的に薬を飲んでいたが、その日は忘れてしまっていた。
5、6時間目のあたりで目がとてつもなくかゆくなった。花粉症の人は共感できる痒み。
次第に喉に違和感、止まらない鼻水、目は見えにくくなるほど目が腫れた。
保健室で座っていると
「救急車呼びますか?」
「この症状的に読んだほうが良いよな」
私は驚いた。
まさか救急車だなんて。当時の私からしたら救急車は交通事故や火災でケガをした人が運ばれるもので、出産ですら呼ばないのに、なぜ呼ぶのか不思議だった。
時分が思っている以上に酷いのか、やっと自分が酷い状態だと気付いた。
なぜだかわからないが眠くなってきて、はっきりと覚えていないが、サイレンがだんだんと近づき、保健室の前に停まった。
大勢の教職員に見守られながら救急車に乗った。なぜ、こんなに先生が?!
私は眠いだけでテンションはどちらかというと高くて、救急車にワクワクしていた。
しかし先生全員がこちらを見てくるので緊張した。
それに学校で怖いと有名な先生がジッとみてくるので怖かった。
救急車に乗った頃にはワクワクは消え、注射や点滴に怯えてきた。
私は救急車で横になったが、ベットの居心地が大変良かった。鼻水がひどく、鼻が詰まった私にとって頭の部分だけ調節できるベットは最高の居心地だ。
そのため寝てしまった。
大変良い眠りだった。
それでも体は異常事態。
病院に着くと落ち着いた医師と慌てている看護師の人が色々話していた。
その時、すぐそばの机に注射器があるのに気づいてしまった。
私は怖くなって
「注射、するんですか?」
と、聞いた。
医者は悪化しなければしない、と言ったが怖かった。
その後薬を飲み、落ち着いたところで校長先生が駆けつけてくれた。
絵に描いたような校長先生で、ツルピカの頭に、優しい笑顔。
たくさんの話をした。とても楽しかった。
なにより、いつも人気で話すことができない校長先生と一時間も話せたことが誇らしかった。明日友達に自慢しよ〜、そう思っていた
その後帰ることができた。
その後母に薬を飲み忘れたことをもの凄く怒られた。目のかゆみよりも母に長らく怒られることのほうが辛かった。
この1日が小学3年生で一番心に残った出来事だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます