未来編 第13話 ドワーフ/占い師の老婆

ドワーフとは魔物を抜いた四代種族の中で最も奇妙とされている低身長だが固く大きな骨格と丸々と太った脂肪からの固く張りの良い肌が特徴的な種族


ドワーフは産まれる際に母親の母体から取り出されてすぐに巨大キノコの芯の中に入れられる


そこから100もの時間をかけて栄養を取り込み芯の硬い細胞を喰らって引き裂いて産まれてくる


快活で大雑把な性格の者が多いせいか人口が増加中


平均的な寿命はエルフを超える5000歳


高い身体能力と耐久力...無尽蔵な体力が優れている


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手作りに作られた藁で作られた家の中でギガス起きると心地よい溜息をついた


「やべぇ...キノコせいで眠ってたか...此処は誰かに担ぎ込まれて治療されていたって訳かな?」


すると髭の生えたドワーフの男が部屋に入る

「おー!起きたか兄ちゃん...いやぁ昨日はトンデモない事になってたよなぁ?身体は大丈夫か?」


「ん?え?昨日って...もう1日が経ってるの?」


「1日って...もしかして記憶が無いのかい...そりゃ大変だなぁ...村の奥に住んでる占い師の老婆に会いに来たんだろ?早く行こうぜ〜?」


ギガスは藁の家のドアを少し屈んで軽く開けて歩いていくと地面に青緑色の粘菌がついた道が続く


不可思議なドワーフの村が広がっている、辺りには市場などもあり正にファンタジーと言った感じだ


「これだよ定番...こういうファンタジーの世界を47と巡ってきたからな...懐かしいなぁ...


まぁ街に比べてファンタジーすぎるだろっていう疑問はあるけども...街がSFに様変わりしすぎなんだけど田舎は意外とこんなもんなのね...


アイツらとも此処で仲良く談笑してたんだよな...」


「そんなに褒めたってぇ...此処はタダの田舎だよ...いるのも3000歳越えの中年層と高齢層だけだし...


若い衆は100年程前に魔王が来て村の近くに根城を立てて暴れたせいでな...王都へ出ていっちまった...


ちなみに...占い師の老婆は7000歳なんだってよ」


「なんだかそう聞いてみると人間の年齢がチッポケに感じてくるよ...なんだかねぇ」


すると手前から赤髪に大きな剣を持った丸々と太っているが鍛えられた腕の筋肉が見える女が歩いてくる


(ん?ドワーフの戦士かぁ...冒険者ギルドでも同じ様な人を見かけたなぁ...この世界では馴染みって感じだ)


赤髪のドワーフの女は少し顔を赤らめるとギガスを無視するかのようにスタスタと何処かに歩いていった


「あれまぁ...俺って人間にしては低身長で太ってるから...ひょっとしてドワーフにはモテるのかな?なんて思ってたけど...どうやらモテないみたいだね」


「何を言ってるんだよ兄ちゃん...昨日もモテモテだっただろぉ?凄かったぜぇ?伝説の125P」


「ん?」


情報を聴き逃したギガスは首を傾けながら聞き返す

「俺が...何を...したって?」


「いやだから伝説の125Pだろ?昨日の夜は本当に凄かったよなぁ...兄ちゃんのあの夜」


「ちょちょちょ!!待って待って!!え?え?125P!?俺が...俺を含めて...125P?」


「だからさぁ...兄ちゃんがドワーフ村に来た途端に村中の熟れた熟女ドワーフの目が野獣に変わってさぁ?一斉に兄ちゃんが寝てる所に行ってさぁ...もう


抱いて下さいー!って直球なワケよ!!


いやそしたら...さっきまで眠ってた兄ちゃんが起きるなりね?『並べ』って言ってね...


そこから一人づつ...」


ギガスは後ずさりして転ぶ

「え!?待って待って待って待って!!125Pしたの起きるなり!?俺が!?なんか何処か間違ってない?絶対に嘘だと思うわ...あれだわ...何か既成事実を作ってるだろ?」


「いや既成事実も何も...あれはもう次元が違ったよね...途中から124人が一斉に輪になって中心で寝そべった兄ちゃんに向かって行進を...」


「そんなわけ無くない?125Pだよ?なんで俺はそんなのをやり遂げて...普通に歩いていられるの?」


ドワーフの男は上を向いて浸るように語る

「俺もビックリしたよね...キャンプファイヤーでもやってるのかな?って思ったら中心に寝そべった兄ちゃんが宙に浮き始めてドワーフ達が...」


「気狂ってるじゃん俺...ヤバすぎない?125P?もう一国の王の数じゃん...聞いた事ねぇよ異世界転生主人公で経験人数が125人なヤツ...前代未聞だよ」


「王とか言ってるけど本当にその通りだったよ...

近くから音が聞こえてたけど動物園かと思ったよ」


「絶対に嘘な!!これ絶対に嘘...信じませんから...読者の皆さん...これ嘘です...事実ではありません


なのでセーフです...セーフ...完全なるセーフね」


歩いていると紫色の怪しげな木を切り出して造られた奇妙な館が見えてくる


ドワーフの男は立ち止まると指さす

「あれが占い師の老婆さ...魔術にも精通していて転移魔法も使えるらしい...言っとくけど変な事すんなよ」


「もう熟女ドワーフ好きのガチの化け物だと思われてんじゃん俺...125Pのインパクトが強すぎて魔王討伐するっていう目的を忘れてたわ...


125Pて、ページ数かと思ったわ」


かなりグダついたギガスは館の中に入っていく


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「ギャーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

ギガスが部屋に入ってるくなりドワーフの老婆が化け物を見たかのように驚いて叫ぶ


「もう村中に知れ渡っているのね」


「オマエ...魔王だな!?」


「あぁ125Pからバレるの止めて、魔王並の数字だけどソレでバレるの嫌だから...不本意だからマジ」


老婆は水晶玉を見つめて話す

「そうじゃなくて...オマエの腹の中に闇の存在の影を感じる...宿しているのだな...魔王の力を」


「あぁっ、125Pでバレたワケじゃないんだ」


「それも込みで」


「こみ!?」


老婆は水晶玉を置くと手をかざして念じている


「オマエの人生の軌跡が見えてくる...芸術家...思い出してきた...以前も村に立ち寄ってる...ハンマー...異世界転生...空虚で透明...47回もか...


125P...........」


「そこに並べるの止めろ、47回も卑猥に聞こえてくるから」


「なんとも数奇な生と死を繰り返す罪深き人生よのぉ...しかし止まれ...貴様の剣を持った仲間が苦しめられておる...」


ギガスは水ハンマーをチャプチャプ鳴らして考える

「それはトードのことなのか?」


「ソイツと...もう一人の貴族の騎士...不吉な天斗柄杓アマツカミを持って産まれし男...コイツも恐ろしげな運命を背負っている...」


念じるのを止めると老婆は話す

「転移魔法をかけてやるから...さっさと村から出ていけ...金は要らない...だから出てけ」


「めっちゃ嫌われてますやん」


道であった赤髪のドワーフが会釈して入ってくると机に置いてあった本を取って何処かに行く


老婆はギガスを睨んで口を開く

「オマエ...昨日で現地妻が97人できたらしいな?」


「すいません初耳です...知りませんその情報」


「あの娘は3500歳...男も知らず色も知らずの私の実の娘で優しいドワーフの鑑じゃ...ほんともう...」


ギガスは額の汗を拭いて答える

「なんかすいません...あのぉ...途中で生えてたキノコが...やっぱ何かおかしくしてたっていうか...」


「言い訳するなボケェ!!ビギャー!!」


足元に魔法陣が出てくるとギガスの身体がバラバラになって下に沈んでいく

「今回は一段と痛い!!痛い痛い痛い!!」


完全に肉体が沈んでいくとギガスは姿を消した


「これでドワーフ村の危機は去ったわい...」


新たなる能力に覚醒...ギガスの冒険は続く...

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