第7話 商人の腕輪 

馬車に戻る。

ゴブリンの死体は、集めて燃やすらしい。その前に一応、燃えない物やゴブリンの装備などを外している。使い物にならない錆びた物や石のこん棒などを別にしている。どうせ燃えないし。

ナマモノの死体は他の魔物たちを引き寄せるから綺麗に跡形もなくするのが良いって言ってた。


冒険者って力もあるんだな。ゴブリンたちがどんどん集められている。

「あれは、恐らく・・・身体強化や剛腕剛力を使っているんでしょうね」

エルザが教えてくれる。そうなんだろうな。そういう指輪もあったし、優秀な冒険者ならそういうスキルや魔法を持ってるんだろう。


なので、ゴブリンが燃えつきるまで少し時間がかかるので、このまま待機。


ちょうど良いので、商人の腕輪の中身を<鑑定>していた。


*ベルモット商人の収納腕輪

 (容量・大、時間停止)

・金貨300枚

・銀貨3000枚

・宝石玉 ダイヤ、ルビー、サファイア、エメラルド、

・魔石 大小いろいろ


ここには、商売の商材や資料などは何も入っていなかった。

こんなのゴブリンが持っていたって、どうしようもないのに・・・

そういえば、・・ああ、そうか、金属製で光るものだから? 


もう一度鞄から取り出して見ている。

身体強化、剛腕剛力、瞬間移動、治癒の4個の指輪、

小さな宝石の付いた指輪が3個、小さな宝石の付いたペンダントが2個。

金貨は3枚、それに銀貨が28枚。


身体強化と瞬間移動、治癒の指輪は<創造>で複製できた。これはそのまま新しくスキルとして現れた。

少し保留になっていたらしい結界も加えられていた。じゃあもう結界の指輪を外してもいいか? イヤ、やっぱもう少しはめておこう。何かの時には、この指輪のセイにしてしまおう。レベルも350になってる。何もしていないのだけど。魔力循環訓練だけだが。 


・追加スキル: 身体強化、瞬間移動、結界、治癒、


治癒の指輪を取り出して見てる。

「エルザ? これ要る?」

「えっ!? 指輪?」

「うん、これ治癒魔法の指輪らしいんだが、使う?」

「はい! エリスさまからのプレゼントですね! いただきます」

「うん、じゃあ・・・はい」


エルザが嬉しそうにもらってくれた。欲しかったのかな?

何も宝石は付いていなかったけど、良かった。


「あああ~この指輪凄いです!~~ 少し大きいな~って思ってましたが、今、私の指にピッタリになりました」

「へぇ~ 本で読んだことがあるけど、それ、大きさの自動調整魔法が付与されていたんだね、凄いや! 悪いけど、ちょっと外して良く見せてくれる?」

「ええ~~外すんですか?」

「うん、見せて? 大丈夫、すぐにまたエルザにあげるから」

「・・・はい」


治癒だから僕には不要かなって思ってたけど、こういうこともあるんだ~ 一応、<創造・複製>された。でも大きさの自動調整なんて・・・無い。

付与魔法という魔法項目が増えていたけど、ソレかな?


(ステータス)レベル350

・・・

・スキル:気配察知、悪意感知、結界、身体強化、瞬間移動、※※※※・・・・

・魔 法:瞬歩、治癒、付与、


「エルザ、手を出して、返すよ」

なんか指を出してるのでそこに指輪をスルスルとはめてあげた。

「どうも、エリス様! ありがとうございます」

「うんうん良いかも・・」


金貨や宝石玉は良いよね!? もらっておいても。

またお金が増えた。



(ミドリ)


驚きました、なんですかあの魔力の練り上げは・・。彼はまだ15歳って聞いています。それで少し魔法も使えて、魔法鞄も持っていて、そこにもってきてのあの魔力。

空気が歪んでいました。

あのままもし腕輪に触れてでもしてたら・・・腕輪は壊れてしまったでしょう。

末恐ろしい貴族の坊ちゃまです。

見てはいけないものを見てしまいました。・・・そう! 忘れましょう!



(ダービン)天竜の輝き リーダー


驚くよな!あの貴族の坊ちゃまには。

まだ15歳だろ? ゴブリンの死体でも平気なんだな、触りまくっていたし。

それに、ゴブリンリーダーの腰に下がっていた袋なんてよく見つけたものだ。あれは、奴らの急所というか性器の近くにあったやつだろ? よく触れるよ・・・

でもいろいろゴブリンのお宝が入っていたようだな。まあ、俺らは良い。坊ちゃまに全部あげたよ。あの凄く喜んだ笑顔は反則だな!全く。

腕輪の事では、ミドリが相談に乗っていたが、あいつ何をあんなに焦っていたんだ? 坊ちゃんも無事だし、なんか楽しそうにしてたな。


公爵家から直々に依頼が来て、よくよく聞いてみれば・・・

伯爵家から子供を一人連れてきてくれって、どれだけ大事な子供だよ!?って思っていたが、あれは・・・なんか良く分からんが、普通の貴族の子供では無いな! 断言できるぜ。


さてと、ゴブリンも燃え尽きたようだな。みんなで一応手を合わせておいた。

今夜は野営だな。そして明日には公爵領だ。




<天竜の輝き>の皆さんは、錆びた剣や錆びた銅貨などはそのまま捨て置いていくようなので、少しもらってきた。

「坊ちゃん! こんなものを?」

「うん、ちょっといろいろやりたいことがあるんだ、もらうよ?」

「ええ、どうぞどうぞ」って言ってくれたし、鞄に突っ込んできた。


なんかとても不思議な物を見るような視線を感じたけど、悪意はなかった。


そうしたら馬車が出発した。時間的に今夜は野営らしいので、このままゆっくり次の馬車の休憩所までいくという説明があった。


「野営ですね。ではわたくしも少し準備をしましょう」

エルザも鞄の中身を確認して、あれにしよう、これにしよう、あれは駄目ね・・・とかいろいろ忙しそうだ。そのうちに、鞄にもたれて眠ってしまった。エルザも疲れていたんだな。


さて、僕は眠くないし、特にしなければならないこともない。馬車におとなしく乗っていれば良い。ただ、やりたいことはたくさんある。


まず、エルザがもたれて枕にしてる大きい鞄、これからも魔力が漏れてる気配がわかる。

ミドリさんがやっていたのを真似して、鞄の中の空間魔法関連の魔力の循環をみなおす。

うん、流れの悪い部分の通りを良くして・・・これで、流れが早くなったり遅くなったりせずに、一定の速度でゆっくり確実に流れるだろう。

エルザを起こさないように・・・鞄にはあまり触れられないから手を向けてやってたけど出来た。


魔法が付与されたものとかも、魔力の流れを意識してやらなければ、詰まったり調子が安定しなかったりすることもあるんだな、良い勉強になった。


錆びた金属の中に、錆びてない白っぽい金属の欠片が数個混じっていた。

鑑定ではミスリル金属。おそらく剣の欠片みたいだけど、これを集めてみた。

ミスリルは魔法の伝導の良い金属の一つだから・・・そう本に書いてあった記憶。


これを素材にして僕の<創造>で何かを作れるのか? 実験。

何が良いかな? なんでも良いけど・・・そうだ! ナイフを作ってみよう。

ミスリルの欠片を手で包み込んで・・・ミスリル製のナイフを作る!そんな気持ちを送り込んだ。

なんか出来てる。ナイフなら危険なので、そっとソファーの上に置いた。

ナイフだ! 材料が少なかったからか? 短い小さいナイフがそこにある。

でも、果物ナイフとしては使えるかな?


だいたい・・・結果は分かっていた、やり方も間違ってはいないはず。なんでも作れるのか?


錆びた鉄くずを集めてみた。

手を添えて・・・完成の姿を思い描いて、気持ちを送り込む。

作ったものは、手裏剣。10cmくらいの長さの投げるための剣が20本出来た。

ははは・・面白い。なんとなくそんなのが思い浮かんだだけ。

手裏剣なんて投げたこともないし・・・よし! 変形してみよう。きっとできるはず。


鉄製の手裏剣を集めて、手を添えて短剣を作ろう。思念を送り込む。同時に、重さが軽くなるように・・・そういうのが良い・・・

50cmくらいの長さの剣ができた。錆びてない、ピカピカの新品。

鑑定してみたけど、重さ軽減などの魔法は付いていなかった。そうか!鉄じゃ駄目かも・・・

と言っても、今は材料が無い。ミスリルは、・・・ある。母上の収納の中にミスリル製の剣などがあった。でも、これは使えない。

とりあえず、一旦保留だ。


適当に薬草を出して、回復丸薬でも作っておこう。その前に、丸薬を一個口に放り込んだ。

うん・・・やっぱ、苦い・・・けど、飲み込んだ。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る