第二章:三皇子府に転がり込む花婿、波乱に転ぶ!?
第11話 同衾三日目、義父上ご機嫌よう?
――にもかかわらず、
もちろん毒は受けている。天も地も、そしてここだけの話――あなたと私だけは知っている。
では、なぜ寝台から動こうとしないのか。
答えは単純明快!沈家には、あの「
「成婚した娘が夫と別の部屋で寝るなんて、言語道断」――それが沈家の家訓らしい。
結果、二人は沈家にいるあいだ毎晩
だが、大きな寝台がない以上、楚河漢界なんて存在しない。
さらに沈夫人は朝昼晩、きっちり三度、
こうして
「これ以上幸せな日があるか!」
――ただし本人は知らない。ちょうどその時、
「ですが殿下、三皇子府はすでに下賜されております。これ以上、仮病を続けるのはさすがにまずいかと!」
「何を言う!これは仮病ではない、養生だ!」
その姿を戸の隙間から見た
「ですが、新しい府邸の装飾や兵の配属、新府祝いの宴……すべて殿下のご裁可が必要です。」
五は呆れたように白目をむきつつ、拱手して言葉を続けた。
「だが私は――妻に看病されて、キスもハグもされたいのだ!」
五はとうとう顔を背け、額を押さえた。
一方、
――いつ私が彼にキスなんてした!?いつ抱きしめた!?
せいぜい最初の夜に、毒で汗だくになっていた時、布団をかけ直したくらいじゃないの!!
「殿下……言うべきかどうか迷いましたが――やっぱり言います。」
「五よ。普通『迷いましたが』なんて前置きしたやつは、その先を言わんものだぞ!」
「――殿下、ほどほどになさいませ。でないと、必ずやしっぺ返しが来ますぞ!」
五はぞっとするような笑みを浮かべて告げた。
侍衛・五の言葉はまったくの正論だった。
――しっぺ返し、ほら来たじゃないか。
「お、お嬢さま――じゃなくて、皇子妃殿下! いったいどちらへ!?」
「小青、そのお粥を寄こしなさい!」
言われるがままお粥を差し出した
そして――
ざくっ、ざくっ!
山盛りのパクチーを怒りのままに刻み、どっさりと鍋に投入。
かき混ぜ、かき混ぜ、さらにかき混ぜ……
「ふふ、いい感じに混ざったわね!」
パクチーまみれのお粥を見て、満足げに頷く
その粥を精巧な蒸し碗へと移し替える手つきは、なぜか妙に優雅であった。
しばらくして――
その瞬間、
「け~い~ちょ~う~」
「
「秋音が来てくれたんだね。わざわざ運んでくれてありがとう。」
「いいのよ。私はあなたの妻なんだから、それくらい当然でしょ!」
そう言った瞬間、
――ぶわっと広がるのは、圧倒的なパクチーの香り。
「秋音……私、パクチーは苦手なんだ!」
「パクチーはね、消化を助けて排毒にも効くの。体にいいんだから〜」
「でも……秋音、ほんとにパクチー嫌いなんだよ……」
「はい、あーん。私が食べさせてあげるのよ。それでも食べないって言うの~?私、好き嫌いする男は嫌いなんだよ!」
次の瞬間、全身をぶるぶる震わせ、体をくねらせながら今にも吐き出しそうになる。
三口目。
ついには涙目になりながら、
そこで
「秋音……もう食べさせてくれないの?」
「もう少ししか残ってないでしょ?あとは自分で食べなさい。私はここでちゃんと見てるから~」
だが
しかし次の瞬間。
「まだとぼけるつもり!?一日ごまかすなら、その一日三食ぜんぶにパクチー入れてやるから!」
そう言い捨てると、ぷんすか怒りながら部屋を出ていった。
――だが次の瞬間、二人の視線が同時に上へ。
そこに立っていたのは、ぷんすか怒った顔で大きな目をぎろりと光らせる
その後ろには、呆然とした表情の
二人して目を見開き、思わず「ひっ」と息を呑んだ。
「殿下はここでしっかりお休みくださいませ。旦那さまにはきっと殿下と話すべき要件がありましょう。
――それから秋音。あなたはもう嫁いだ身、母としては会いたくてたまらなかったのです。ただ、この三日間は殿下の看病に追われてゆっくり話す暇もなかったでしょう。さあ、私と一緒に来なさい。」
終始にこやかな笑顔。だがその場にいた
梁の上に潜んでいた侍衛・二と、窓の外の木にいた侍衛・三も。
ふたり同時に「やばっ」と気づいたかのように、気配をすっと消してその場から姿を消した。
残されたのは、景澄と
「……
「……殿下も、ご機嫌よう。」
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ミニ後書き:
三連休ですね!みなさんに楽しい時間がありますように✨
今日から4夜連続でお届けするのは、ぜんぶ甘々ストーリー💖 思いきり糖分補給してくださいね🍭🍬
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