死と言う名の救済

@brightfuture

僕は、ダメな子?

休むのも良いけど...


初めまして、皆さん。僕の名前は、綾兎あやと。中学2年生だ。僕は、学校にいけずにいる所謂不登校生だ。僕が不登校になったのは、去年の2月半ばくらいからだった。理由は、両親に僕が自死しようとしたことがあると伝えたからだ。


「あのさ、僕死にたいって思ったんだよな。2回くらい自殺未遂もやってるし」

「........どうしてそんな行動を。何か嫌なこととか...虐められたのか?」

「違うよ...。生きるのが辛くなったんだ。生きるってのは、僕にとっては、難しかった。だから、生きてることがしんどくて苦しくて辛くなった」

「........そうか」


両親は、僕がどうしてそんな行動を起こしたのかは、知らないし、僕が死ねなかったのを安心したんだと思う。


「多分だけど学校が僕にとっては、一番辛かったことなだと思うの。だから、少しで良いから休みたい」

「あぁ、良いぞ。お前が生きたいと思えるように俺たちも頑張る。だから、安心してくれ」

「.........うん」


即答できなかった。なんでかって、その時も生きたいなんて思えなかったのに生きたいと思うなんて無理なのになぁなんて考えていたからだ。


そこからは、と言うと学校には、たまにだけ行き殆どを家で過ごしていた。休みにある部活だけは、行った。部活をしているときは、楽しいと思えたから。


「3年生の卒業式行かなくて良いのか?部活の先輩を見送らなくて良いのか?」


そんなことを言われた。部活の先輩が卒業するのは、見たいし祝福したいけど行きたいとは思わなかった。両親は、兄(中学3年生)の卒業式に行くから、一緒に行くか?とも聞かれたが行くなら、制服でクラスの列に入れと学校から言われたので行かなかった(そもそも行きたくなかったのでありがたかった)。


終業式も行かず春休みの課題もせずただ変わらない日々を過ごしていた。始業式の後に行われる入学式に出ることになっていたから学校に行ったもののクラスメイトやクラスの雰囲気が合わず、翌日も行ったもののダウンした。


(無理だ。なんでこんなについてないんだろう?去年に引き続き、良くないことばっか)


そんな事を思いつつ翌週にまた、学校に行き授業を受ける事は、出来たものの給食を食べることは、できなかった。お腹は、空いていたし食べようと思えば食べれたのだが、どうしても学校では、食事をしたいとは、思わず給食を拒否した。給食を食べなかったことは、もちろん両親に伝わり、なんでかと聞かれたもののお腹がすかなかったとだけ言った。


(疲れたな。もう良いかな?)


また、死にたいと思った。思い立ったらすぐ行動に起こしたものの痛いのが嫌で、勇気が出ず死ぬことは、叶わなかった。その日からたまに、自分を傷つける(自傷行為をする)ようになった。血が出るまでは、深く切らず皮膚を傷つけるだけの勇気のなさが現れた行為だった。


5月中旬から病院でどうして、こんなことを思うのかどうして自分のせいにしてしまうのか。これは、もしかしたら病気のせいかもしれないと真実を知りたいから通うようになった(通わされた)。先生は、僕について話して欲しいと言った。でも僕は、黙秘を貫いた。分からなかったんだ。自分の事が、自分の事なのに分からなかったんだ。それなのに話せるわけがない。


「僕は、分からないよ。自分の事が分からない。それなのに、どうやって話したら良いの?」

「そうだったんだな。大丈夫だ。ゆっくりで良い。綾兎あやと、なにも急かしているわけでは、ないのだからな」

「.........」


その日は、食事を取る気分では、なかったが取らなければ怒られるため食べた。



□■□■□■


「綾兎あやと、そろそろ学校に行ったら?」


久しぶりにそう言われた。


「..........嫌だ。行かない」

「そっか。わかったわ」


それだけを聞くと、両親は、仕事に出掛けた。出掛けた数分後、布団のなか(僕が一番安心できる場所)で、泣いた。


「............嫌だ。なんで生きてなきゃいけないの?もう辛いのに、苦しいのに、どうしてこんな場所にとどまらなきゃいけないの?どんなに痛くても良いから、誰か僕を殺してよ...死にたいよ」


そう思っても死ぬことは、叶わず。今日も今日とて息をしていた。


6月下旬。また、言われ始めた。


「学校には、いつ行くの?」

「休むのは、良いがちゃんと勉強は、しなさい」


その言葉が僕を苦しめた。本当に僕を苦しめていたのは、生きづらくしていたのは、親だったんだ、そう思った。よく考えれば、小学校のときどうしても行きたくない時も、無理矢理行かされたし、相手が悪いのに自分のせいだと怒られたし、親が僕を苦しめていたんだと言うのは、すぐに納得できた。


(あぁ...本当に僕を苦しめていた人物は、こんなにも近くにいたんだ…)


「僕ってダメな子なのかな?...救済を求めただけなんだけどなぁ。死と言う名の救済を...」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る