異世界ハーレムの間違ったターゲット～腐男子だけど女の子に囲まれてます！？～

男は呪い？私はただの腐男子です！

その夜、村は依然としてヒロシとアリアの決闘の噂で持ちきりだった。

多くの人が驚いたが、この「珍獣」がBL漫画だけでどうやって生きていけるのだろうかと不思議がる者もいた。

ヒロシは村の家のバルコニーに座り、疲れたように星空を眺めていた。

「どうしてみんなは僕にそんなに期待するんだ…腕立て伏せ10回もできないのに？」

夜風が吹き、花の香りを運んできた。

突然、ドアがきしんだ。

アリアが苛立った様子で、紅茶を2杯持って現れた。

「おい、ぼーっとしないで。これを飲め。」

ヒロシは眉を上げた。「何だ？毒か？」

アリアは睨みつけた。「毒を盛るつもりなら、紅茶なんて入れないわ。」

ヒロシはためらいがちにカップを受け取った。

一口飲んで、彼は驚いた。 「え…そんなに美味しいの？」

アリアは腕を組み、かすかに微笑んだ。「もちろん。騎士だけど、お茶も淹れられるわ」

ヒロシは彼女をじっと見つめた。「どうして怒っていない時の表情がこんなに可愛いんだろう…」と心の中で思った。

一瞬の沈黙があった。

アリアが突然小さく咳払いした。「勘違いしないで！ただ…喉の渇きで死なせたくないだけ。それだけだよ」

ヒロシはニヤリと笑った。「ツンデレ注意」

アリアはすぐに顔を赤らめた。「え、どういう意味ですか？」

ヒロシは笑いをこらえた。「いえいえ。大したことじゃないんです」

アリアは鼻を鳴らし、自分のお茶を乱暴に一口飲んだ。

突然、村の外から大きな音が聞こえた。

ヒロシとアリアは慌てて立ち上がった。

「何だ！？」

村人が慌てて駆け込んできた。「村長！ 外国人集団が門を襲撃しています！」

セレナは顔をこわばらせ、飛び出した。

「あの集団は…『ヴァレリア』と名乗っていて、過去の呪いの根源は男にあると信じている過激派なんです。」

ヒロシは凍りついた。「え？！ ここにきてまだ一日なのに、もう殺されようとしているなんて！？」

セレナは真剣な顔で彼を見た。「ええ。彼らにとって、あなたの存在は災難なんです。」

アリアはすぐに剣を握りしめた。「では、私が彼を守るわ。」

ヒロシは驚いて振り返った。「え？ 私を足手まといと言ったのはあなたですよね。」

アリアは顔を赤らめたが、毅然とした態度を崩さなかった。「足手まといだと言ったからといって、あなたを死なせるわけにはいきません！」

ヒロシは少し動揺した。「これは…ラブコメの始まりか？」と彼は思った。

しかし、彼が落ち着く間もなく、門の外から大きな声が響いた。

「あの男を引き渡せ！さもないと村を焼き払うぞ！」

ヒロシは顔面蒼白になった。「ああ、俺はまるで、みんなが奪い合っているレアポケモンみたいだ」と彼は思った。

セレナは深呼吸をした。「彼らと話をしなければならない。」

顔が半分ぼんやりしていたヒロシは、引きずり回された。

門の前には、黒い仮面をかぶった女たちが魔法の武器を持って立っていた。

リーダーはヒロシを憎悪の眼差しで睨みつけた。

「これが男か…『生命の呪い』だ。」

ヒロシは驚き、頬を少し紅潮させた。「呪いだって？！俺はBL漫画を買うのが好きな、ただの軟弱なオタクだよ！」

群衆は静まり返り、そして何人かは笑いそうになった。

アリアは両手で顔を覆った。「なんでそんなに大きな声で話すの…バカ？」

ヴァレリアのリーダーは魔法の杖を掲げた。「お前の存在は悲劇を繰り返す。許さない。」

場の空気が白熱した。

しかし、戦いが始まる前に、リリアが息を切らしながら、古代の巻物を持って現れた。

「待って！歴史の記録によると、男は呪いではなく…病の犠牲者だ！」

全員がリリアの方を向いた。

彼女は顔を赤らめていたが、大声で言った。「彼らは…何の落ち度もなく死んだ。だからヒロシを責めるのは大きな間違いだ！」

ヒロシは感動してリリアを見た。「彼は私を守ってくれた…」と彼は心の中で思った。

ヴァレリアのリーダーはしばらく沈黙し、それから息を呑んだ。「ただの古い記録だ。信じない。」

アリアは剣を構え、一歩前に出た。「ならば、ヒロシを引き渡さない。」

緊張が高まった。

ヒロシはパニックに陥った。 「なあ、じゃんけんで決着つけないの？！」

誰も気に留めなかった。

リリアはヒロシの手を握った。「信じて。私たちがあなたを守るから。」

ヒロシは顔を赤らめ、黙り込んだ。「女の子の手…普段は触られるのが嫌なのに…どうしてこんなに温かいんだろう？」と心の中で思った。

心臓がドキドキと高鳴り、恐怖と…何かが入り混じっていた。

ヒロシは初めて、自分の気持ちに戸惑いを覚えた。

そして遠くから、魔法戦争の音が聞こえ始めた。それは、大規模な紛争が勃発しようとしていることを示していた。