第4話 コロッケ弁当2
「じゃ、じゃあ今日は初回なのでまずはテストを行なってもらいます」
俺は、幻の初回を抹消してテストを手渡した。
俺が高校の頃の定期考査の問題をそのままわかりやすくパソコンで打ち込んだテスト用紙。
いわばデジタルリマスター版テストだ!
問題のレベルもある程度担保され、俺の負担にならない究極のアイデア。
さあ、何点取るんだJKよ!
「智くん」
「はい」
「花子、もう寝ちゃってます」
何故、もう寝とるん!?
俺の目の前には、テーブルに伏せて寝ているJKの姿があった。
「半田さん、どうします?」
「今日は一旦、終わりということで…。テストは明日までに解きなさいと私から言っておきますので…」
(そんな、甘ったれたことを言っていてはダメだ!寝るな!勉強だ!卒業には勉強しかない!)
と言っても無駄か。
「分かりました、今日のところは引き上げます」
「ごめんねえ、毎回」
「いえいえ」
もう、辞めたい。
プロの家庭教師雇ってくれ…。
俺にはお手上げだ…。
「おー今日の夕食はコロッケ弁当か!」
「そう、智が半田さんからもらったのよ。美味しそうだわね」
親父と母親がコロッケ弁当の話で盛り上がっている。
実に平和な夫婦だ。
本日2度目のコロッケ弁当を食べる。
2度目だろうが同じ味だ。
いやむしろ、冷めてて味が落ちてるな…。
「ところで、智今日の家庭教師はどうだった?」
親父は俺に聞いてくる。
「五段階評価すると三ぐらいだな」
「三だったら良いじゃねーか!まるでこの弁当の味の評価みたいだな!」
このコロッケ弁当の味、五段階評価すると三が全員の共通認識なんだな。
それが今日学んだ唯一の発見だ。
俺の人生ってなんか虚しい!!!
配信でもして寝るか。
「今日もスライム真田ラジオ始めまーす!」
『いえーい!真田さん!バイトの調子はどうですか?』
いつものように鼻からハンバーグからのコメント。
「んー。可もなく不可もなくって感じですね。初めよりは慣れました」
『そうなんですね!私もこれから勉強頑張ろうって段階です!お互い頑張りましょう。¥500』
・・・
今日も配信終わったし寝るかー。
しかし、ハンバーグは女子高生のはず…。
なぜ毎日500円を払えるほどブルジョアなんだー!!!
もしや、ネカマか…?
いやでも、ハンバーグにそんなことをするメリットはない。
考えても無駄だ寝るか。
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