第29話

2045年より愛を込めて 第029話 愛知


「つかさあ、白子が居て多勢が控えてるなら

 アタシの勝ち目なくない?

 全くもって白々しい展開だわあ」

「黒子さんよお、今日は痛み分けで解散しようや。

 白子さんが居ることでアンタは不利なんだろ?

 だったら止めておこう。

 格下をいたぶる程、悪党してないんで」

口が回る田中亮磨。

「つかさあ、アンタ等何故、追手に、刺客に追われてんの?

 報酬次第では、アタシが駆逐してやるわよ?」

「有難うと言っとくわ。難が有りで有難うな?

 藤林先生も加勢してくれるらしいし

 雪だるま式にRYOMA同盟が強力無比に」

そろそろ〆よう。田中亮磨が口火を切った。

「俺は単独でも任務を抱えていて

 故郷のヒロシマに帰らないとなんねえ。

 RYOMA同盟の拡大化は喜ばしいが

 少数精鋭を敢えて望むよ。

 左右の心房問題が解決してねえ

 欠陥左心房の坂本竜馬と

欠陥右心房の田中亮磨な。

 

 帝国本庁の地球防衛軍所属の

KAMIKAZEさんと音咲凛さんは

仕事だと思って付き合って欲しい。

クラリスさんは旅先で料理修行、な。


魚目燕石、石部金吉のご両人は

愛知支部で起こっている混沌を

鎮める大役を担って欲しい。

女医さんふたりは、血液製剤の研究を国立病院で再開。

それでは、故郷ヒロシマに一路向かいますか」

長い長い己語りを終えた亮磨は、

スポーツ飲料片手にベンチにへたった。

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