第4話 桂のこれ迄の人生3(桂の視点)
2026/8/3(月)PM3:00
地元に帰郷から約半月後、有り難い事にすぐに地元の物流センターにパートとして就職出来たものの、生来の不器用さから中々仕事を覚えられず。
「桂、こんなしょうもないイージーミスすんな!。もう入社して3ヶ月以上経ってるだろ!」
と上司から怒鳴られ、すぐさま年上の先輩パートの男性鈴部さんが「おらしっかりしろヅラヅラ男!」と言うと、すぐさま年下の先輩パートの阿木さんが「ヅラヅラ君だっせー!」と指差しながらそう言って来た。更に年下で同期のパート、島泉さんからも「ヅラヅラさんしっかりして下さいよ!」と矢継ぎ早に責められ、その場の全員から笑い者にされた。
(何なんだ、この職場は…。)と言いたいのを押し殺して、真夏の暑い中、ハンドリフトでの運搬に勤しみ、真冬の寒い中、倉庫内での検品に勤しみ、他にも皆が嫌がる作業を率先して行ない、職場での信頼を俺なりに勝ち取ろうと努力して行った。
2028/9/25(月)お昼休み
そうこうしてる内に入社から2年半近く経ち、俺は上司から呼び出され、こう告げられた。
「桂喜べ、約2年半頑張ったご褒美に、来月から正社員にしてやるぞ!」
「あ、有り難う御座います…。」と言いつつ、本来なら物凄い光栄な筈だが、正直俺はあまり嬉しくない。何故なら先に正社員になった岡沢さんが以前より残業時間が長くなり、責任も増え、パートさんから色々押し付けられていた。
岡沢さん以上にお人好しな俺が正社員になったら、心身共に今以上にしんどくなるのは明らかだった。正直今でもギリギリの精神状態で何とか続けている。その日の終業後、リストラされて落ち込みながら帰って行く別の従業員を尻目に。
(もし正社員の話を断ったら、次は俺がこうなるかも知れない…。)
という不安に苛まれ、帰宅後に夕飯を食べて風呂から上がった後、部屋で思わずリストカットしようとしたが、「駄目だ、俺には自●する度胸なんか無い…。」そんな精神状態で何気なく音楽を聴いていたら、涙が出て来てふと、こう想った。
「俺やっぱり、もう1回音楽がやりたい…。」
それに普通の32歳男性は恐らく、休日はパチンコや競馬、風●等に行くんだろうけど、それらをやる事なく折角の休日に疲れてるにも関わらず、ピアノやギター、DAWやシンセをずっといじってた、そしてこう想った。
「よし、もう1回音楽をやろう!。但し、会社と両親には秘密裏に…。」
2028/10/1(日)AM10:05
そうと決まったら俺は地元の楽器屋さんに行ってメンバー募集の貼り紙をお願いしに行くと、店員さんが「かしこまりました。掲載期間は1か月となります」と言って貼りだして下さった、ちなみに内容はこうだ。
「当方キーボードで、女性ボーカルを募集してます。下記のリンクで私の曲を是非聴いてみて下さい」
こんな感じで俺の今迄の自作曲をMyTubeにアップロードして聴けるようにし、LUINE(ルイン)と繋がれるようにして、連絡を待つ事にした。早速4日後の午後7時頃、1通のRUINEが来た、内容はこうだ。
「初めまして。私は地元の小学校に通う6年の女子で、『
俺は所々疑問に想いながらも了承した。その翌日、1通のRUINEが来た、内容はこうだ。
「初めまして。私は地元の高校に通う3年の女子で、『
先の智枝ちゃんが先客の為、その旨を蒼絵さんに伝え、当日近所のカラオケボックスに来ていただくようにお願いすると、蒼絵さんも了承してくれて、俺は当日に備えて準備する事にした。
2028/10/7(土)AM11:40
俺は少し早めの昼食を取り、尚且つ両親に見つからないように機材を車に載せて目的地に向かい、受け付けから少し離れたベンチで座ってた。オーディション開始約5分前。
「あの、山野 桂さんですか?」と言いながら俺に話し掛ける女性が居た。つり目で背中の真ん中位まで伸びた、ブロンドのサラサラな長い髪で、前髪を左目の辺りで分けている。パーカーにジーンズ姿で、ギターを背負っていた。胸は普通よりやや大きい位だ、Dカップ位かな?。
俺が「はい、そうですけど」と答えるとその女性は「初めまして、鶴牧 蒼絵です。そして…。」と隣りに居る女性に目をやるとすぐさまその女性が。
「姉の『あびる』で~す。妹の付き添いで来ました~♪」とやや軽いノリでそう言い出した。パッチリした目で、胸元が開いてる白いトップスに黒のタイトのミニスカート姿で、ブロンドでウェーブヘアーの女性で、胸はかなり大きい。Gカップはあると見た、2人共身長170cm近くはあるだろうか?。ちなみに俺の身長は170cmだ…。
俺は蒼絵さんに「好きなアーティスト誰ですか?」と聞くと蒼絵さんは「ラ●クっす」と答えた。俺達はもう1人の応募者が来る迄の間、お互いの好きなアーティストの話や他愛のない世間話等をしていたその時、嫌な人達と再会する事となった…。俺は暇潰しに、蒼絵さんにこう聞いてみる。
「好きなアーティスト誰ですか?」
「ラ●クっす」
「桂さん、智枝ちゃんって何時頃来るんですか?」
「もうそろそろ来る筈なんですけど…。」
こんな感じで、俺達はもう1人の応募者が来る迄の間、お互いの好きなアーティストの話や他愛のない世間話等をしていたその時、嫌な人達と再会する事となった…。
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