1話 ペンタグラムとは

思い出そうとしていてもなかなか思い出せないでいると白髪の女の人が建物の中から出てきた。

「マリーさん聞いてるけど、あなた、転生者なの?」

「分からないんだ、転生してきたかどうかは……」

「そうなのね、ならこっちに来て」

私は白髪の人にとある一室に連れ込まれた。

「ここで寝泊まりしてもらうんだけどね」

すると白髪の人が急に耳元で囁いてきた。

「あなたの記憶、呼び覚ませるかも」

「それ、本当か?」

「ああ、私のペンタグラムで記憶を読めるんだ」

「ちょっと待って、そもそもペンタグラムってのはなんだ」

「知らないの?」

「うん」

「なら教えてあげる、誰かが言うにはね、精神に刻み付けられた物らしいのよ」

「精神に刻み付けられたもの……?」

「そうだね、あなたのペンタグラムは何なの?」

「タッチ・ザ・ダストっていうのだけど、意味が分からないんだ」

「私にもわからないんだ、ちょっと記憶をのぞかせてねー」

白髪の子がそう言うと手の先から縄のようなものを出してきた。

「これが私のペンタグラムだ。これで記憶を読み取るんだ」

その縄は私の頭を囲み、何かが押し寄せてくるような感じがした。

「何だこれ……」

「おっ、早速やってるっぽいな」

その波はどうやら記憶の波らしい。その記憶の内容は生前の記憶だった。そして死因は……火事らしい。

「私が焼けていく……」

「おっと、転生した要因の記憶まで呼び覚ましちゃった、ごめんね」

「いいや……いいんだ。いいんだ」

「そうか。ペンタグラムの事だがな、一花という人がこの近くに住んでいるんだがな……今は考古学の調査を行ってるからここにいないんだ、ペンタグラムについてはその人に聞いた方がいい」

「一花……わかりました……」

その時、窓ガラスを突き破る二つの影があった。

「……また君たちか」

「じゃーん!」

「おじゃまします……」

「こらこら、窓から入ってきたらだめってマリーさんから聞いてなかったのか?」

二人はどうやら私が眠っていた時、起きた!と騒いでいた子と私の上で寝ていた子のようだった。

「あ、あのおねーちゃんだ」

「……おはよう」

「そとであそぼー!」

「こらこら、今話をしてたんだ」

「いやいい、じゃ、外で遊ぼうか」

「わほーい!」

「そういえば、名前、聞いておこうか」

「ああ、シラヌイって言う者だ、一応転生者で元の名前は不知火っていう名前だ」

「読みは同じなのね」

そうして私はマリーさんの子供2人と遊ぶことにした。

「火山に行こ―!」

「火山ね……この世界にあるのね」

「そだよー!」

女の子の方は物凄く活発だ……逆に男の子の方はちょっと陰キャみたいな感じだ。そして私たちは火山の方に向かった。

「じゃ、テレポートするね!手つないで!」

女の子が私に手を伸ばしていた、私は手を握り、周りは光に包まれていき、一瞬で火山にたどり着いた。

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