2話 思わぬ才能

小屋から取り出してきたのは、身長ぐらいの剣だった。日本だったら銃刀法違反だな。

「これこれ、いったん持ってみて?」

私に剣を渡してきた、人生の中で、物を持たせられたけど、これぐらい、大丈夫なのです。

「程よい重さです、いいです」

「筋肉量が凄まじいんだな、やっぱり転移者だったか」

「どういうことです?」

「転生者は元の世界というところの姿と、ここの姿は違うの、筋肉も容姿も」

「それって、体が再構成されるってことです?」

その言葉は聞いたことが無いのか、少し戸惑っている様子だった。

「再構成……?」

「新しく体が作られてるのかな?」

「多分、だけど転移者はそのままの姿、そのままの力で転移してくるから、力は最初は転生者より転移者が強くなる、けどね、最終的には転生者の方が強くなってるから」

「でも転生者は体が頑丈って言ってたけど」

「新しい体だからね、スタミナが有り余ってるのよ、だから最終的に強くなる、伸びしろがあるってね、だから奴隷として働かせる、これが王国軍だ」

そしてルナさんは丸太を指さした。

「だから、これ、ぶった切ってよ」

「わかりました」

私は初めて触る剣を器用に使った。

「やっぱりゴリラ……いや、転移者だな」

「私はゴリラですが何か?」

少しだけ悪口を言われた気がするけど、いいか。

「さて、人が増えちゃったから、食べ物をいっぱい狩らないとね」

そう言ってルナは、弓矢を携え、森の中に消えていった。

「さて、木を切らないと」

私はさっき言われたことを遂行しはじめた。

「よいしょ……よいしょ、潮の匂いがする?」

私は一瞬だけ潮の匂いを感じた。

「海があるのかな」

私は潮の匂いが強い方向に向かった。

「綺麗な砂浜、そして青い海だ、日本にはなかったな」

日本の海のほとんどが濁っている、偶に綺麗なところがあるが、本当に見つからないものだ。

「塩、取れるかな」

海水から塩を取れると聞いたけど、手順がめんどくさかった気がする。

「後で取ろうか」

私は小屋に戻った、そして私は木をバッサバサと切っていった。

「これぐらいやれば、よろこんでくれるかな」

大体30本ぐらい剣で斬っていった、するとルナが帰ってきた、開けた様子に少し驚いていた。

「開けたな、イチカがやったの?」

「はい、喜ぶと思って」

「いい加減人の心を持ちなさいよ、いいわ、後で改築の資材にするとして、成長させる魔法もかけないと」

「喜んでもらえたらうれしいです」

そして食糧庫を見ながらこう言ってきた。

「しかし、肉料理だけだと、少し飽きてこないか?」

「そうですが……私はカップラーメン30日連続はいけますよ」

「カップラーメンっていうものは知らないけど、凄い根性だね、相談なんだけどね、いい加減畑を作りたいけど、種と耕す道具を作れないから、教えてくれない?」

「私は会社にいたんで、耕し方とかいろいろとわからないんですよ、でも見様見真似で恐らくできます」

「なら頼んだ、ちなみに耕すスペースは小さいけれど、ここね」

そこは人ひとりか二人が十分くつろげるスペースだった。

「耕す道具、石を叩いて作る」

子供のころ、こんな風に遊んだかもしれない。

「ふん、これに木の棒をつけて……これで耕す」

私は屈みながら指定されたエリアを耕していった、そして種をどうしようか頭の中で考えていた。

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