人類が地球を捨てた先で、皮肉にも「地球人」になるSF



自分の「抜け殻」の葬式に参列する、という衝撃的な冒頭から一気に物語の世界に引き込まれました。

クローン技術によって死の概念が書き換えられた未来で、「自分とは何か」「命の価値とは何か」という根源的なテーマを静かに問いかけます。


​そして、物語の最後に明かされる地球の結末と、宇宙船の人々こそが真の「地球人」になったという皮肉な結論。

短い物語の中に現代社会への鋭い風刺が込められており、読後も長く考えさせられる素晴らしい作品でした。

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