万引き多発でも潰れない本屋さん～1話読み切り短編集

★23冊目/男子中学生の万引～性根を鍛え直して貰いましょう（900文字

※性的描写が微かにでも苦手な方、お気を付け下さい。

カランカラーン

「いらっしゃいませー」

キュッ キュッ キュッ・・

「・・・スニーカー？床と靴の相性からか、耳にきますね。」

「仕方ないわよ。お客様の靴にまで文句は言えないわ。」

「床を変える訳にはいきませんからね。」

「靴音がしない店は確かに理想かもしれない。けど、全く無音だと人が居るのか居ないのか分からないし・・それはそれで困りものね。」

「難しいですね・・音の問題って。」

「だからクレームに発展しやすいわよね。」

キュッ キュッ キュッ・・

カランカラーン

「あざした～」

「コラ！」

「ひゃい！？」

「相手は誰であれ、気のない挨拶は厳禁！勤務態度を理由でお仕置されても知らないわよ！？」

「は・・ひゃい！！」

―店外―

「この歳じゃ年齢制限引っかかるから、正攻法じゃ買いたくても買えなかったけど・・やっと読めるぜ。ネットの無料広告分だと良い所で終わっててムラムラしてたからな。電子書籍1話の為に課金なんて勿体ないし。明日からは高校生、まだ3年は正攻法は我慢・・か。はぁ・・ま、今日はコレで楽しませて貰いますか。」

―高校入学式―

「新入生諸君。

わが校はくじ引きによってクラス・席を決める。尚、3年間クラス・席替えはないので・・この引きによって、どういう生活になるか決まるから心して引くように。」

ザワザワ・・

「聞いてた通りだな。」

「最前列なったらずっと監獄だな・・」

「特にAクラスはヤバイぞ、担任が狂犬って噂のセンコーだぞ、あれ。更に1番を引いた日には、教壇の真ん前の特等席、絶対嫌だな。」

「この引きで3年間が決まる。確かに過言じゃないね。」

ワイワイ・・ガヤガヤ・・

「・・さ、俺の番か。悲喜もごもごだけど、どのクラスも後方はまだ割と空きが多い、最前列は殆ど埋まってるな。なら・・大丈夫だろ。」

ガサガサ・・

「クジ、見せてみろ。えっと・

・Aの1！」

「え！？」

「ほぅ！！ようこそ俺のクラスへ・・3年間、仲良くやろうや。」

バシバシ

「は・・はぃ・・」

「ウチのクラスで弛んだ姿見せてみろ・・男女平等に竹刀でぶち回すから覚悟しろ！！」

バシーン！！

「ヒッ！」

「特にお前は真正面だからな・・鍛えがいがありそうだ、しっかり可愛がってやる。」

「はぁ・・」

「何だその抜けた返事は！！」

「ハイッ！！」

「今日は初日だから許してやるが・・ホームルームからビシビシいくからな！」

「・・俺の高校生活3年間、一体どうなるんだ・・？」