☆16冊目/子守りはお任せあれ!(1100文字

カランカラーン


「いらっしゃいませー」


「えっと・・何処だったっけ・・」


トントントントン・・


ギャー!!ギャー!!


「?」


トントントントン


「はいはい・・よしよし・・」


「イヤー!おうち帰るー!!」


「お嬢ちゃん、どうしたのかな~?」


「?・・ヒック・・ヒック・・」


「お母さん待ってて退屈なの?」


「・・うん・・」


「じゃ、お母さんの御用が済むまでは私と一緒に待ってようか?」


「うん!!」


「え!?そんな・・コラ、我儘言うんじゃありません!!」


「私は良いですよ。弟妹いるので慣れてますし。」


「・・ですが・・」


「お姉ちゃん!だっこ~!!」


「はいはい。これで良い?」


「うん!」


「コラ!」


「私は大丈夫です、今の内に捜し物を見つけられて下さい。」


「・・ごめんなさい、本当にありがとうございます。」


「よしよし・・って・・あら、寝ちゃった?ぐずってたのは眠たかったからかな?」


スー・・スー・・


「あ!あった・・って、ごめんなさい!寝ちゃいました?」


「私は構いませんが・・どうしましょう?」


「車で来てるので寝るのは構わないのですが・・」


「なら車まで送りますよ。」


「・・何から何まで本当にありがとうございます。」


「じゃ会計で大丈夫ですか?まだ何か探されてます?」


「いいえ、これで終わりなので。」


「では。」


トントントントン・・


ピッ!

ピッ!

ピッ!


ガチャ!


「じゃ行きましょう。」


カランカラーン


「ありがとうございましたー」


―駐車場―


「・・じゃ、お嬢ちゃんバイバイね。」


スー・・スー・・


「本当にありがとうございました。」


「いいえ、困った時はお互い様ですから。」


「何かお礼を・・」


「いらないです!!私のお節介なのでお気になされないで下さい!」


「・・じゃ、私の名刺を渡しておくから、何かあったら連絡を下さい。」


「はい、分かりました・・って、え!?」


「どうかしました?」


「・・・言って良いのか・・」


「後味悪くなるから教えて貰えます?」


「はい。実は私、御社の採用試験に申し込みをさせて頂いてます。まさか社長様とこんな形でお会いすると思ってもなくて・・」


「本当に!?」


「はい。ですが・・」


「私の力を使えば即採用かも知れないけど、それを良しとしない・・ですか?」


「はい・・」


「じゃ、書類選考はパスで2次選考からで如何ですか?私は人事に一切口は出さないから、後は貴女の実力次第です。」


「・・良いんですか?」


「私個人としてはウチに来て欲しいです。けど、入社してそれが何処で仇になるか分からないのも確かです。なら、貴女に実力で内定を勝ち取って貰うしかないですね。」


「はい。」


「いい目をしてる・・じゃ、連絡先を教えて下さい。」


「・・・これで良いでしょうか?」


「OK。じゃ、必ず内定取って!入社式で会えると信じてますね。」


「はい、必ずや!!」

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