オイル

小杉セオ

オイル



帝国に窓がないこと そのせまい額の端をぴりぴりなぞる


暗喩みたいにゴム状がひも状である ほどかれるべき虚弱体


ガムを吐き捨てなさい ふたたび ガムがうまれてくるように


裂傷 ひとがあとからみたときに尋問になるように話した


冷たさのボーイング離陸が鋭くて薄い腹毛をなめらかに剃る


だから大丈夫です潮水ですら透き通る会議室ですから


それぞれの役目を終えたペットボトル・キャップ カーテンは昏くする


医療用脱毛機器の音がしてそれから一言一句間違う


生ものの匂い充満する部屋で ので 自然な苦しみ方で


エクストラ・ヴァージン・オイル・目を伏せて・苦手なものを言う・舌捌き


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

オイル 小杉セオ @ksg_seo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

参加中のコンテスト・自主企画