静かな朝の描写から、一気に世界が“反転”していく。
読んでいて感じたのは、まるで現実の延長線に異世界が滑り込んでくるような、現実感と非現実の混ざり方の上手さ。
テンポの良い地の文、言葉選びの素直さが読者を迷わせない。
キャラクターも、いじめや孤独といった痛みを背負っていながら、どこか清潔で、まだ希望を諦めていない。
だからこそ、次に起こる“変化”が自然に心に刺さる。
「物語を描く意志」が確かにここにある。
続きがどう広がるのか――その一点で、この作品は“読まれ続ける”タイプの物語だと感じました。