「殺した」ことだけが、唯一の「救い」だった
- ★★★ Excellent!!!
「自殺を止めてほしいから、殺した」
そう語る青年・狂々は、サイコパスと断じられた。
心を痛めることなく弟を殺した彼の言葉に、人々は戦慄し、社会は彼を「人間ではない」と断罪した。
だが、誰かを「異常」と切り捨てることは、果たして本当に正常なのだろうか?
加害と被害、罪と赦し、生と死。
その境界が崩れたとき、見えてくるものは――
人間の「思考」の、あまりに脆く、あまりに鋭利な輪郭だった。
これは、ある一家を巡る事件の記録。
そして、サイコパスとは何か、人間とは何かを巡る、
誰もが避けて通れない「答え合わせ」の物語。